ペットショップ店員の仕事内容を知ろう
獣医師や動物看護士、トリマーなど、生き物に携わる仕事は様々ありますが、中にはペットショップ店員を志す方も多いのではないでしょうか。
可愛いワンちゃんや猫ちゃんに囲まれながら仕事ができるペットショップは、動物好きの方にとっては天国のような職場ですが、その仕事内容については「生き物のお世話」「接客」というように、漠然としたイメージしかないという方も少なくないでしょう。
ペットショップ店員として働く場合、どういった仕事を任されるのか、またそのやりがいや魅力、仕事を通しての苦労について、経験者の声をもとに詳しく解説していきます。
ペットショップ店員の主な仕事内容とは
ペットショップ店員とは、ペットショップで商品となるペットを管理し販売する仕事です。扱われるペットはそのショップの規模にもよりますが、主に犬や猫、うさぎなどの哺乳類や、インコなどの鳥類、両生類や爬虫類などが挙げられます。主な業務としては以下のような内容があります。
- ペットの食事の用意
- ケージの掃除
- ペットの散歩
- ペットの体調管理・シャンプー・ブラッシング
- 接客・販売
- 商品の在庫管理
- お店全体の掃除
- 商品の仕入れ作業
- 電話応対
ペットショップ店員の勤務形態・休日
ペットショップ店員の方の体験談によると、勤務時間はショップの開店時間内でのシフト制が多い傾向にあります。
休日については、月8~10日のお休みをもらっている方が多いですが、中には週に1度のみという方もいたりと、勤務先によりばらつきが見られます。なお、仕事柄、土日祝の出勤は覚悟しなればなりません。
ペットショップ店員の仕事の魅力ややりがいは?
ペットショップ店員として働く上で大きなやりがいにつながるのが、お世話をしていた動物たちに新しい引き取り手が見つかる瞬間です。我が子のように可愛がっていた動物たちが散歩がてらお店に遊びに来てくれたり、幸せそうに過ごしている姿は仕事へのモチベーションにつながるという声が多数寄せられました。
また、動物が大好きというスタッフにとっては、動物に囲まれて働けるというだけでやる気がわいてくるハッピーな仕事でもあります。
ペットショップ店員の仕事の大変なところは?
ペットショップ店員の仕事を通して大変なことや苦労について調査したところ、やはり多かったのが「生体管理」という意見です。生き物を扱う仕事である以上、感染症予防などの体調管理には非常に気を遣うという店員は少なくありません。また、子犬や子猫を扱うことが多いため、食事の準備等にも手間がかかります。
また、立ち仕事であったり、消毒液の使用や手洗いの機会が多いために手荒れが酷くなったりと、体力的、身体的にしんどさを感じるスタッフも多い傾向にあります。
ペットショップ店員経験者に聞いた体験談
ペットショップ店員として働いたことのある経験者の方から、その仕事内容ややりがい、苦労について詳しいお話を伺いました。
10代ペットショップ店員の声
犬がメインでした
ゆうすけ(19歳)
私は10時から18時まで高校生の春休み期間に、友達のペットショップで働いていました。休日は月に8回ほど休みをもらっていました。ペットショップ店員の仕事内容としましては、私の働いていたショップは犬がメインだったので、犬の入っている檻を掃除したり、時には散歩に連れていったりもして、とても愛着が湧いて、新しい飼い主が見つかったときはいつも正直寂しかったです。
大変なことは、たくさんの犬がいるので餌を与えるときが一番大変でした。私がペットショップで働いてよかったと思ったことは、ペットというものに愛情を持てるようになったことです。それまではペットに対してあまり良い印象はなかったのですが、ずっとそばにいることにより、自分の気持ちを変えることができたと感じました。
20代ペットショップ店員の声
ペットの体調管理が大変でした
いな(27歳)
4年ほどペットショップで生体販売をしていました。時間は8時から19時まで、その中で勤務時間はシフト制でした。休日は月に10日ほど休みをもらえました。
まず朝行って最初にやることはご飯のふやかしです。まだ仔犬、仔猫なのでエサをお湯でふやかしてあげます。ふやかしている間に夜に寝ていたケージを綺麗に掃除します。そしてペット達をショーケースに入れたらご飯を与えます。その後はご飯を食べた食器を洗い、消毒です。
掃除やご飯が終わったらお客様に接客をして仔犬、仔猫の可愛いところや飼い方などを説明し、新しい家族を決めてあげるのがメインの仕事になりますが、やはりその仔に合ったいい家族を決めてあげたいので、慣れるまでは接客は難しいかもしれません。
ペットショップの仕事で1番大変なことはペットの体調管理です。まだ小さい仔達なので体調を崩しやすく、頭数もたくさん居るのでそれぞれの体調を毎日細かくチェックしなくてはいけません。
ですが、こうやって一生懸命毎日お世話をしている仔達のお家が決まって、お店に遊びに来てくれて幸せに暮らしている姿を見た時には、ペットショップで働いていてよかったとすごく嬉しくなります。
爬虫類担当
みのり(28歳)
ペットショップでの勤務は、朝の9時から18時まで行っていました。休日はシフト制で週二回ありました。ペットショップでの担当は爬虫類で、掃除や餌やりなどのお世話から販売接客まで行っていました。
仕事をしていて大変だなと思ったことは、担当している動物たちが脱走した時の対処です。大きな動物ばかりではなかったので、小さなトカゲなどが逃げ出すと大騒ぎで探していました。商品ではあるものの、あくまで命を預かっているので大切に扱わなければなりません。逃げ出して見つからなかったときは、本当にショックを受けます。
その反対にペットショップ店員で良かったと思うのは、素敵な飼い主さんが見つかり大切に育ててもらえる環境ができたときです。接客をしていて本当に安心できる飼い主さんだと嬉しくなります。
30代ペットショップ店員の声
意外と勉強すべきことが多いです
はなな(35歳)
私は9時から17時までの勤務で働いていました。休日は週に一日のみです。
主なお仕事は動物の世話です。ケージの掃除、餌やり、体調管理(悪い子が入れば店頭からは隔離し、病院に連れていく)です。その他にも、商品の在庫管理、お店全体の掃除、仕入れ作業などもありました。それを基本的にはお店の営業開始までに終わらせます。そして、営業が始まれば接客が中心となりますが、その合間を見計らって動物たちの餌やりや水の管理などをこなします。
大変なところは意外と勉強量が多いところです。お客様とお話する際に動物のことについていろんなことを聞かれます。基本的な飼い方はもちろん、フードやグッズについても詳しくならなければいけません。扱っている動物は犬から魚まで様々でしたので、勉強量はとにかく多かったです。後は、休みが世間一般とはまったく合わないことでした。
良かったと思えたことは飼い主さんがペットと一緒に、お店の常連さんになってくれることです。散歩がてら遊びに来てくれたりするととても嬉しくなります。
手荒れがひどいです
ちくわ(36歳主婦)
お店の開店時間は10:00~20:00でしたが、私は夫の扶養内パートで働きたかったため、基本的に9:00~17:00のシフトで入らせてもらっていました。1ヶ月の勤務日は15日前後だったので、週4日程働いていました。朝はレジの立ち上げから始まり、動物達の健康状態を一通りチェックします。その後は消毒液を作り、ご飯の準備(子犬子猫が多いので、フードをふやかしておきます)をしたら、ケージや展示ケースの掃除をします。
開店と同時くらいにご飯とお水をあげ始め、終わったら食器の洗浄や展示ケース以外のケージの掃除、雑巾等の洗濯をします。それが終わるとお客様対応や商品陳列、トリミングをすることもあります。
子犬子猫は食の細い子が多いので、しっかり食べるように試行錯誤の毎日です。消毒薬をよく使いますし、手洗いも頻繁なので手荒れが酷くなります。少し大きくなった子は子犬子猫に比べて売れにくい面がありますが、長くお店にいる分、その子への思い入れも強くなりますので、そういう子に新しいお家が見つかるとやはり嬉しいですし、たまに元気な顔を見せにきてくれると感慨深いものがあります。
大変なこともありますが幸せです
チョコバナナ(31歳)
私は朝8時半~午後5時半までの勤務時間でペットショップ店員をやっています。休日は週休2日で、月に8日です。
仕事内容はまずエサあげから始まります。犬や猫たちもお腹が空くので何よりも最初にします。次にお部屋の掃除です。エサを食べれば排尿排便しますので、それぞれのお部屋を綺麗にしてあげます。その間、お店がオープン時間になり、接客をしながら、主に犬の方ですがお手入れをします。ブラッシングをしたりシャンプーをしたり、猫の方はお手入れをしたり清潔に保つため健康状態を把握するために行っています。
仕事をしていて大変だと思ったことは感染症です。めったにないことなのですが、些細なことで感染症になり、またそれが他の犬や猫に移ってしまうことがあるのでその時だけは本当に大変だなと思います。しかし、ペットショップで働いていて大好きな犬や猫と触れあえることは、本当に幸せなことだなと思っています。
もう一度働きたい。
ゆな(38歳)
私が勤めていたお店は9時から20時までのシフト制でした。週1日のお休みだったので月4回は必ず休みです。仕事は朝は掃除から始まり、ペットのお世話、商品の品出し、レジ担当とその日によってやることが違いますが、掃除は必ずしていました。
毎日掃除から始まって営業終了後も掃除なので結構辛かったです。お店の掃除だけならいいのですが、ケージの中ももちろん毎日掃除して、バックヤードのケージも掃除。閉店後も営業中に動物が入っていたケージの掃除プラスのお店の掃除と、立ちっぱなしなので体がしんどいこともありました。
だけど、家族の一員として迎え入れてくれるご家族の笑顔を一目見ると、この仕事していてよかったなと思います。あと、自分でも分からないことを尋ねられたときのために勉強するようになったので、動物に少しだけですが詳しくなれたのも良かったです。今はもう辞めてしまいましたが、また機会があればペットショップで働きたいです。
犬と猫に囲まれて
あすラブ(30歳)
ペットショップでは子犬・子猫の販売をしているので、9時に出勤してすぐにケージの掃除・消毒、ご飯をあげて、体調チェック、身体が汚れていればシャンプーをし、開店までに店頭のケージに移動する、レジを開けて店内の掃除、お昼までがあっという間に過ぎていきます。その後もフードなどの補充や発注、レジ打ち、子犬・子猫のトイレの掃除は随時、15時に2回目のご飯、接客、電話応対、子犬・子猫たちのシャンプーなどで、あっという間に20時です。
法律で定められているので20時には店頭から子犬・子猫を裏のケージに移動させます。その後3回目のご飯をあげて、体調チェック、店頭のケージを掃除・消毒、レジ締めして1日の業務は終了です。
業務の中では開店準備が一番大変で、ご飯まみれになりながら毎朝バタバタとしています。出勤時間は9時から22時までの間で8時間。シフト制で休みは週2日ですが、土日祝は希望を出さない限り連休はもらえないです。
命を扱う仕事ですし大変ですが、それ以上にお世話をしている子犬・子猫たちの癒しのパワーが凄いので、楽しく働けます。
40代ペットショップ店員の声
ペットショップの店員さんは悲喜交々
ぺるりん(42歳)
私は某大手ホームセンターに併設された小さなペットショップに勤務していました。午前10時から夜19時まで、生体の餌やりに始まりケージや水槽の掃除、ペットの販売をしながら関連商品の品だしや発注までこなさねばならず、毎日がてんてこ舞いの忙しさでした。
お休みは週休二日もらえていましたが、そこはペットショップ店員の悲しい性。体調や性格が心配な子がいると休みそっちのけで様子を見に会社にいったりもしました。
一番大変だったのは、生体管理よりもホームセンターに買い物に来たお客様がお連れのお子さんをペットコーナーに置いて買い物に行ってしまうことでしょうか。それも一人や二人ではなく、五人六人のプチ保育所レベルになることも。さすがに人様の子供さんを預かる資格は持っていないので、これには本当に色々と苦労しました。
ですが、苦労よりも喜びの方が多いです。ペットショップ店員と言うと動物をただ売っているだけと思われがちですが、決してそうではありません。私だけでなくペットショップの店員さんは全員が、店の子を我が子同然に可愛がって管理しています。だから飼い主さん候補が現れると、娘や息子を嫁や婿に出す気持ちで販売しているのです。
ペットショップ店員は命を預かる責任の重い仕事
ただ「可愛いから」「好きだから」ではなかなか続けられないのがペットショップ店員の仕事です。最近ではトリミングサロンや動物病院に併設されたペットショップも増えている背景から、動物に関する専門的な知識や経験が豊富なスタッフの需要が非常に高まっています。
ペットショップで働く上で特定の資格などは特に必要ありませんが、活躍の場を広げたいのであれば、資格を取得した上でペット業界への就職を検討するのもひとつの方法でしょう。