アルバイトでも社会保険は加入できる
社会保険という言葉。見かけたり聞いたりすることは多いけど、実際のところはよく分かっていないという人がたくさんいるかと思います。すごく詳しく知る必要はありませんが、最低限知っておかないと損をしてしまう可能性も。皆さんが勘違いしやすいのは、「社会保険に加入できるのは社員だけでしょ?アルバイトは入れないから関係ない」というもの。
勘違いしているポイントはここで、アルバイトでも社会保険に入れるのです。もちろん加入条件などを満たさなければなりませんが、アルバイトは社会保険に入れないわけではありません。加入条件やメリット、かけもちの場合など様々な視点から社会保険を勉強しましょう。
社会保険とは国民が困った時に助けてくれる国の制度
社会保険とは「健康保険組合」という団体が提供している保障制度のことです。簡単に言えば「会社に務めている人が加入する健康保険」が社会保険、病院や医者にかかった時に費用が少なくて済むというもの。それに対して、会社に勤めていない自営業の人などが入る健康保険が国民健康保険です。すごくざっくり言うとこのようになります。
詳しく説明すると、「厚生年金」「健康保険」「雇用保険」「労災保険」などをひとまとめにして「社会保険」と呼びます。社会保険と一言で言っても様々な種類があるのです。給与明細などにも欄があるのでこれはなに?と思っていた人もいるのではないでしょうか。では、社会保険に入るメリットを紹介します。
アルバイトが社会保険に入るメリットは万が一のときのリスク減らすこと
社会保険に加入する一番のメリットは、病院や医者にかかった時に費用が少なくて済むということ。それは、加入したときに支給される「保険証」です。病院に行ったとき、保険適用の治療であれば、保険証を提示すると支払う額を少なくすることができます。
これは、会社(事業主)と本人(被保険者)で折半しているから費用が少なく済むという事です。国民健康保険の場合では折半する会社がないので本人が負担する分が多くなります。比較すると、社会保険の方が月々の負担を小さくできるので嬉しいですね。
また、先程述べた様に社保完備であれば労災保険がセットになっているので、仕事中にケガをした場合の治療費を会社が負担してくれるので助かりますね。しかし、これは仕事中のみの適用になります。仕事へ向かう途中などはOKですが、休日にけがをしても保険はきかないので注意が必要です。
従業員数などが多い企業は組合健保にしているところがあり、独自の保証などが充実している場合もあります。例えば出産育児一時金の上乗せや、高額療養費の上限、傷病手当金の支給などがあります。保険に入るとこのようなメリットが得られます。では、実際に社会保険に加入できる条件はどういった内容なのでしょうか。
アルバイトが社会保険に入るには労働時間が関係する
社会保険の加入条件は労働時間が関係してきます。1日または1週間の労働時間および1か月の所定労働日数が、通常の労働者の4分の3以上あれば加入できるというもの。これだけ見ると「実際何時間働けばいいの?」と思いますので、簡単に数字にするとこうなります。
社会保険加入条件
1日8時間労働×月20日で、ひと月あたりの労働時間は160時間程度
160時間×0.75(通常の労働者の4分3以上)=月120時間
上記の様な計算式になります。つまり、月に120時間=週に30時間働いている人は加入条件を満たしているという事になります。
アルバイトをかけもちしていても社会保険に入れる
ここで問題になるのがかけもちで働いている場合。掛け持ちで働いていて尚且つ加入条件を満たしている人はどうすればいいのか?実は社会保険は加入条件を満たす社員・アルバイト・パートなどを企業は加入させる義務があります。しかし、強制ではないので入らない事も可能。入らない旨を会社に伝えれば問題ありません。
かけもちしていることがばれたらまずい人などもいるかと思いますが、社会保険に関しては企業ごとの管理になるのでこれも特に問題ないかと思います。かけもちがばれる原因は雇用保険・住民税の時になります。
社会保険の支払額は給料の約13%
では、皆さんが一番気になる金額のお話をします。しかし、ここで正確にいくら給与から徴収されるかは分かりません。なぜなら健康保険にも種類があり、「協会けんぽ」や「組合健保」があり、都道府県によっても金額は変わってきてしまうからです。ここでは目安としてこのぐらい徴収されるという説明をします。
まず、保険料はどのようにして決められているかという事ですが、月の給与によって変わってきます。しかし、アルバイトだと月給と違って金額が変動してしまいますよね。そこで、「標準報酬月額」と「等級」というものを使って決めています。
つまり、この人はこのぐらい働くから月にこのぐらい稼ぐ、いう具合です。それを等級に当てはめているわけです。大体の支払額ですが、約13%の保険料が給与から徴収されると思っておけば大きくずれることはありません。
アルバイトの人は社会保険に加入しているか会社に確認しましょう
いかがでしたか?細かい説明は省略してしまいましたが大まかに説明するとこのようになります。アルバイトでも社会保険への加入は可能なので、会社の総務などに確認してみるといいですよ。