ノマドワーカーとは?自由な働き方のメリットとデメリット

ノマドワーカーのような自由な働き方をしたいという人は少なくありませんが、ノマドワーカーで生活が成り立つのでしょうか?ノマドワーカーとは何かやメリット・デメリットなどをまとめました。ノマドワーカーになるにはどうすべきかお悩み中の社会人や学生はチェックしてみてください。

ノマドワーカーとは?自由な働き方のメリットとデメリット

ノマドワーカーって憧れる!…けど生活は成り立つの?

ノマドワーカーという言葉を聞いたことがある人は多いでしょう。しかし、実際にどのような仕事をしている人達なのかご存知の方は少ないのではないでしょうか。

ノマドワーカーとはどんな働き方を指すのか、メリットとデメリット、ノマドに多い職種、ノマドワーカーとして働く場合生活は成り立つのかなどを解説します。ノマドワーカーの自由な働き方に憧れている方は、その実態をしっかりと確認しておきましょう。

ノマドワーカーとは?

お店のテーブルで作業をしているノマドワーカー

「Nomad(ノマド)」は日本語にすると「放浪者」「遊牧民」という意味です。ノマドワーカーとは「働く場所を選ばないワークスタイルで仕事を行う人」のことです。

ノマドワーカーとフリーランスは違う

時折、ノマドワーカーと同じものとして見なされがちなのがフリーランスです。

フリーランスは、企業に所属せずに個人としてクライアントから仕事を受注する人のことです。そのため、企業には所属していなくても、クライアントから仕事を受注した時点でクライアント先のオフィスに常駐して仕事を行っているケースもあります。

「企業に所属せずに個人としてクライアントから仕事を受注しており、その仕事をカフェやコワーキングスペースなどの自由な場所で行っている」という人については、ノマドワーカーでもありフリーランスでもある、ということになります。

ノマドワーカーには誰でもなれる

会社で働くためには多くの条件が必要です。例えば、大学を卒業してなければいけないといったような学歴が必要な場合もあれば、性別や年齢、資格等を求められることもあります。

一方、ノマドワーカーには性別も年齢も関係ありませんし、学歴や資格が必須なわけでもありません。最低限必要なものといえばパソコンとインターネットのみ。この2つがあれば、いつでもどこでもインターネット上で仕事を受注してお金を稼ぐことができ、ノマドワーカーとして活躍できるようになります。

ノマドワーカーとして働くメリット

ノマドワーカーの大きなメリットとしては、とにかく自由であるということです。企業で働く多くの人にはない自由がノマドワーカーにはたくさんあります。

1 自分の好きな時間に仕事ができる

ノマドワーカーとして働く場合、仕事をする時間が自由です。朝はゆっくり寝て夜に働くということも可能ですし、週4日頑張って働いて週3日は休みにする、ということも自由に決められ、誰かに縛られることがありません。

2 自分の好きな場所で仕事ができる

海辺で仕事をしているノマドワーカー

ノマドワーカーは、パソコンとインターネット環境さえあれば、家でもカフェでも仕事をすることが可能です。
Wi-Fi等の機器を持っていれば外でもインターネット環境を作ることができるため、天気の良い日に公園のベンチで仕事をするというようなことも可能です。

3 「~しながら」働くことができる

働く場所が自由なノマドワーカーは「○○をしながら働く」ということが可能です。例えば「音楽を聴きながら」「テレビを見ながら」仕事をすることもできます。

4 通勤する必要がない

ノートパソコンを開いて自宅で仕事をしている男性

特定の場所に行って仕事をする必要がないノマドワーカー。朝から満員電車に乗る必要もなければ、終電で帰ってくるというようなこともありません。

5 職場の人間関係で苦労することがない

原則一人で仕事を行うため、上司が恐い、先輩から嫌われるといったような人間関係のわずらわしさから解放されるというのも、ノマドワーカーならではのメリットでしょう。

6 実力次第で収入をどこまでも上げることができる

企業でサラリーマンとして働いている場合は、その企業の中で定められた年収というものがあり、どんなに優秀であっても平社員が部長以上の給料をもらうということは例外を除いてありません。しかし、ノマドワーカーの場合は受注する仕事の金額次第なので、収入に限度がありません。

ノマドワーカーとして働くデメリット

ノマドワーカーはとにかく自由であることがメリットですが、自由である一方で、不安定であるというデメリットもあります。

1 給料制ではないので収入が不安定

ノマドワーカーの場合、企業で働く人のようにオフィスに出勤していれば収入がもらえるというわけではなく、受注する仕事がなくなれば収入もなくなってしまうため、収入が不安定です。

2 会社員ではないので有給休暇がない

ビーチで仕事に追われているノマドワーカー

有給休暇は企業で働く労働者に対して企業側が与えるものになりますので、企業に所属していないノマドワーカーには有給休暇はありません。
そのため、原則として休めば休んだだけ収入が減りますし、ケガや病気等で仕事ができない期間があればその期間は収入がなくなります。

3 社会的信用が低いので保険加入やローンを組むのが大変

企業で働いているということは「安定した収入がある」という社会的信用を得ることができるため、住宅ローンを組んだり保険に入ったりすることは難しいことではありません。
一方、ノマドワーカーの場合はこういった社会的信頼がないため、住宅ローンや保険への加入が困難になります。

ノマドワーカーに向いている人と向いていない人

ノマドワーカーとして生きるということは、原則として一人で仕事を受注し、一人で仕事を行うということです。
また、様々な仕事を全て自分の裁量や判断で行うことになりますので、性格や思考によってノマドワーカーに向いている人と向いていない人が分かれます。

ノマドワーカーに向いている人

  • 物事を1~10まで自分の手で進めたい人
  • 集団よりも一人の方が気楽な人
  • 意思決定が得意な人
  • 自由が好きな人

ノマドワーカーに向いていない人

  • 意思決定が苦手な人
  • 誰かの下で働きたい人
  • 集団の中で働きたい人
  • ルーチンワークを求めている人

ノマドワーカーとして成功する人と失敗する人の違い

ノマドワーカーとしてそれなりの収入があり生活できている人と、そうではない人の間には明確な差があります。

1 ノマドワーカーとして成功する人は高い能力を持っている

ノマドワーカーとして成功するためには、「ノマドワーカーとしての能力の高さ」が必要です。ノマドワーカーとしての能力の高さとは、一言で表現するのであれば総合力です。

ノマドワーカーはお客さんに営業して仕事を受注する営業力も必要ですし、受注した仕事を行う業務遂行力も必要です。組織の中では、営業部門に所属し営業力が高いということで昇格したり給与が上がったりしますが、ノマドワーカーの場合はいくら営業力が高くても業務遂行力がなくては意味がありません。

あらゆる能力に対してそれなりの能力の高さが求められるため、何でも無難に対応できる人であれば問題ありませんが、コミュニケーションが極端に苦手、あるいは作業が極端に苦手といったように、総合的に見ると能力のバランスが悪い人は失敗してしまいます。

2 ノマドワーカーとして成功する人は自分を管理する能力を持っている

険しい表情でノートパソコンを使って仕事をしている男性

ノマドワーカーは自由であるがゆえに、サボろうと思えばいくらでもサボれてしまいます。そして、仕事をサボっているからといって、誰かに怒られるわけではありません。また、そろそろ納期が迫っているとか、明日納品しなければならないといったようなスケジュール管理や進捗管理を誰かが行ってくれるわけではありません。

そのため、自己管理能力のある人は問題ありませんが、自己管理ができず自分に甘い人は失敗してしまいます。

3 ノマドワーカーとして失敗する人はノマドワーカーになることが目的になっている

ノマドワーカーになることが手段である人は問題ありませんが、ノマドワーカーになること自体が目的となっている人は注意が必要です。

例えば、システムのプログラミング能力に自信がある人が、企業の中で与えられる仕事や給与に不満があり、「自らの力だけでもっといろんな仕事をしてたくさん稼ぎたい」ということを目的として会社を退職しノマドワーカーになった…というケースであれば、目的はいろんな仕事をしてたくさん稼ぐことであり、ノマドワーカーになることはただの手段ですので、目的も手段も揃っていればあとは本人の頑張り次第ということになります。

一方で「組織の中の人間関係に疲れた」「朝早く起きて通勤するのがしんどい」といったような理由でノマドワーカーになる人は、そもそもノマドワーカーになること自体が目的になってしまっており、自分の中で手段が明確になっていないケースが多いもの。目的があっても手段がなければ稼ぐことはできないため、こういう人は失敗してしまいがちです。

どんな職業や職種がノマドワーカーに向いている?

ノマドワーカーというのは、どんな職種の人でもなれるわけではありません。適している職種と適していない職種というのがあります。

例えば、車や料理、服などのように実際に触ることができるものを取り扱う仕事は、原則としてそれらを取り扱う場所が必要になるため、ノマドワーカーとしては適していません。
一方で、プログラム、データ、アイデア、デザインといった実際に触ることができないものを取り扱う仕事は原則としてその物をパソコンの中だけで取り扱うことができるため、ノマドワーカーに適している仕事と言えます。

ノマドワーカーに適している職業や職種

  • プログラマー
  • コンサルタント
  • ユーチューバー
  • ライター
  • ブロガー
  • デザイナー

ノマドワーカーになるにはちゃんとしたスキルが必要

ノマドワーカーにはメリットもデメリットもありますが、何よりもまずは一人で生きていけるだけの総合的な能力がないとノマドワーカーとしては生きてはいけません。「会社が嫌だから」「自由になりたいから」などの理由だけでノマドワーカーになっても生活が苦しくなるだけです。

ノマドワーカーのような働き方をしたいのであれば、大前提として「組織の中でも十分通用する能力の高さ」を持っていることが重要であるということを心得ましょう。

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