中間管理職の役割4つ
中間管理職とは管理職の中でも立場的にちょうど中間に位置していて、自分より上位の管理職の指揮下に配属されている管理職のことをいいます。代表的な役職は部長・課長・係長がありますが、この中で中間管理職に該当するのは課長と係長です。
部長は普通、役員の指揮下にあり、役員は管理職ではないので部長は中間管理職ではありません。課長は部長の指揮下に、係長は課長の指揮下にあるので、課長・係長は両者とも中間管理職ということになります。ここでは、中間管理職の役割を説明します。
1.部下たちの役割を設定し管理する
中間管理職はその部署のリーダーといっても過言ではありません。目標を設定し、一緒に働く部下たちの役割を決め、皆をまとめます。結果を出せる中間管理職の人ほど部下たちをチームとして考え、上手に役割を分担し彼らを動かします。
2.ミッションを決め達成に導く
全体の目標が決まったら、売り上げを伸ばすためのミッションを細かく設定するのも中間管理職の仕事です。定期的に会議を開き、チーム内での進捗状況を確認して追加の指示を出し、目標達成に近づけていきます。
3.責任を取る
これは中間管理職に限った話ではなく、上に立つ者は常に意識しなければならないことです。上司として最も重要な役割は部下が犯したミスの責任を取ることです。当たり前のことですが、最近はこれが出来ていない上司、管理職が増えています。
責任を部下だけに押し付けて責任逃れしてしまうケースが多いようです。しかし、現場のリーダー、トップは中間管理職に違いないので責任を取る覚悟は持っておくべきでしょう。
4.部下たちへの教育・人員の補強
リーダーとして部下たちへの教育は欠かすことのできない仕事です。スキルアップとスキルのブラッシュアップ(さらに磨き上げること)の両方を促します。中間管理職も元は現場で働く一社員でした。過去の成功体験や失敗経験など仕事の役に立つ話をいっぱい持っていますから、部下たちに説得力のあるアドバイスができます。
また、チームのメンバーは半永久的に同じではなく、異動や昇進で変わってしまうものです。その都度必要になったら人員を補充し、チームを補強しなくてはいけません。選考にあたってすべての権限を持っているのが中間管理職です。その代わりに人員採用の際には中間管理職が全責任を負うことになります。つまり、人材を見る目が必要になるのです。
中間管理職の悩み4つ
中間管理職は担う責任も大きい分、悩みはつきもの。ストレスは抱え込みすぎると心身に悪影響を及ぼします。上手にストレス解消したいですね。
1.上と下両方から板挟みにあう
中間管理職は上司も部下もいます。それが中間管理職のつらいところです。上からの仕事の指示と、中間管理職をナメている部下からのお願いや相談にパンクしそうになってしまいます。
上司は「管理職になったのだから」とたくさんの仕事を押し付け、部下は「管理職とはいえ中間管理職だからそんなに偉いわけじゃないし相談してしまおう」と考え、何でもかんでも上司に相談やお願いを持ちかけます。こうした上と下両方からの圧力に日々ヘトヘトなのです。
2.出費が増える
中間管理職になると飲み会で部下に奢る機会もぐんと増えます。コミュニケーションを円滑にするうえでお酒は欠かせないアイテムです。部署内での飲み会などの時も「○○さんは管理職なので1万円で」と他の社員より多めの会費を要求されてしまいます。実際は中間管理職のお給料はそんなに高くないので、1万円の出費はかなり痛いのです。
でも若い社員からは「管理職だから給料はたくさんもらっている」と勘違いされ、上司からは「私も昔は君に奢ってあげたよ」と言い訳できないようにされてしまいます。中間管理職は出費が多くなることを泣く泣く諦めるしかないのです。
3.IT機器操作に戸惑う
年配の中間管理職の人に多い悩みです。ただの一社員だった頃は営業で現場を走り回っていれば良かったものが、中間管理職になった途端、デスクワークで「報告書」などの書類作成という作業が主になります。
おじさんは往々にしてパソコンなどのIT機器に疎く、操作が苦手なものですから、「グラフや表で示せ」と指示されてもどのようにして作ったらいいか分かりません。部下の社員に尋ねると「本当に使い方分からないのですか?今までどうされてきたのですか?」と奇異な目で見られることになり、何となく居心地の悪い思いをすることになります。
4.指導力不足について責められる
部下が何かミスを犯した時、「君の指導力不足のせいだ」と上から責められるのは中間管理職です。責任を取るのが中間管理職の仕事ではあるけれど、こちらが一生懸命指導しても応えてくれない部下の場合はストレスが溜まる一方です。
やる気のない部下のために「俺のせいじゃないのに」と思いたいところをぐっと堪えて上に頭を下げ続けなければなりません。理不尽でしょうが管理職になった以上は仕方ないのです。
中間管理職という微妙な立場はいかにバランスよく上司と部下に接していくかが重要
上のことも下のことも気にかけなければならないのが中間管理職です。部下からは憧れられるように、上司には安心感を与えられるようにバランスよくコミュニケーションを取りながら仕事に従事していくことが大切です。