ミスマッチとは?自分に合った仕事を見つける4つの対策

ミスマッチという言葉が、企業の採用市場において使用されるようになって久しいですが、どのような問題であるのかを理解している人は意外と少ないものです。企業と求職者の間でミスマッチが起きる原因と、自分に合った仕事を見つけたい求職者ができる対策について解説します。

ミスマッチとは?自分に合った仕事を見つける4つの対策

雇用におけるミスマッチが起こる原因とは

さまざまな種類の雇用におけるミスマッチは、何が原因となって引き起こされているのでしょうか。企業側、求職者側の双方に原因がある場合もあれば、どちらか片方に解決すべき問題があることもあります。雇用におけるミスマッチが起こる主な原因を挙げていきます。

ミスマッチが起こる一番の原因はスキルの不一致

企業が求職者に対して、高すぎるスキルを求めていることがあります。募集要件に一致する求職者の母数が絞られてしまい、応募者が集まらないというミスマッチを引き起こします。

企業は、ある程度社内で採用者のスキルを育てる土壌を作る必要があると言えます。応募時にはスキルを満たしていなくても、入社後に研修や経験を重ねるなかで頭角をあらわし、企業をひっぱる戦力となりうる人が、採用市場にはたくさん埋もれているはずです。

雇用条件の開示不足もミスマッチの大きな原因になる

企業側が、求人に際して雇用条件の開示が不足していたり、意図的に現状とは異なる条件を記載していたりする問題がいまだに色濃く残っています。

シャッターを開けるビジネスマン

企業側が適切ではない情報をもとに求人募集を行い、その情報を見た求職者が応募して採用に至った場合、聞いていた雇用条件と異なるという事実に、入社後働き始めてから気が付くことになります。

このことは、雇用におけるミスマッチの一つである「早期離職を引き起こすミスマッチ」の大きな原因となります。

求職者の企業研究不足がミスマッチになる事は多い

雇用におけるミスマッチの多くは、求職者が応募先企業をもっと研究していれば防げるものが多いです。企業の理念や風土、社員の性格の傾向、労働環境などは、あらゆる手段を使って事前に調べておき、自身とのミスマッチがないかをよく検討しましょう。

選り好みも過ぎるとミスマッチになりやすい

企業が求職者の学歴や年齢にこだわったり、必要以上にスキルを限定したり、また求職者も条件にこだわりすぎたりするなど、企業側と求職者双方による選り好みが雇用のミスマッチを引き起こします。企業側と求職者がお互いに、これだけは譲れないというポイント以外は柔軟に考えることが必要です。

ミスマッチを防ぐ求職者がとるべき4つの対策

雇用におけるミスマッチはできるだけ防ぎたいものです。ミスマッチをを予防するために、求職者側でとることのできる対策があります。

1.念入りに企業研究をする

企業と自分の未来像が合うか考察する

入社後のミスマッチを防ぐためには、求職者が応募先の企業をしっかりと研究することが不可欠です。企業と求職者間のミスマッチの極端な例を挙げると、企業理念からして求職者自身の性格や考えと一致しないこともあります。

入社後でないと見えにくいような企業風土などを知るには、新卒就活の場合はOB訪問をするなどして、現場の人の話を聞くことも効果的です。

2.疑問点があれば問い合わせる

企業の風土や仕事内容、開示している求人情報などに対して疑問点がある場合は、入社を決める前に問い合わせて解決しておくことが、入社後のミスマッチを防ぐためには重要です。

しかしながら、面接の終盤に質疑応答の機会が設けられても、雇用条件に突っ込んで質問をしすぎると、面接の成否にかかわってくるのではないかと不安に感じる求職者は多いことでしょう。実際、残業時間や給与といった雇用条件を面接で質問されることに対し、好意的な目で見る面接官は少ないと言えます。

そのような場合は、面接の場では仕事内容など意欲的な質問を中心にして、雇用条件や福利厚生については人事などに問い合わせてみるのがよいかもしれません。採用試験の過程で問い合わせるか、内定が出てからにするかは状況から臨機応変に判断してください。

3.大企業だけでなく中小企業にも目を向ける

会社規模の大小比較と自分の適職の判断

特に新卒の就活においては、誰もが名を知るような大企業に人気が集中します。企業によっては、宝くじに当選するような採用倍率になっているところもあります。

ただ企業名に惹かれて応募した場合、幸運にも採用通知を勝ち取って入社したとしても、スキルや労働条件、社風といったあらゆるミスマッチに遭遇してしまう可能性が高いです。

中小企業であっても、よく調べれば自身のスキルややりたい仕事内容、希望する労働条件に近いところが出てくるはずです。はなから中小企業を就職先として検討から外してしまうことほど、もったいないことはありません。

企業の規模に惑わされず、求職者が自身のスキルや希望条件に合った就職先を積極的に探すことが、企業と求職者間のミスマッチを減らす第一歩となります。

4.就活のプロ転職エージェントを利用する

転職の場合は、信頼できる転職エージェントを見つけて、プロのアドバイザーに協力を仰ぐことも一つの手です。転職エージェントは、これまでエージェントを利用して入社した人が陥ったミスマッチの情報などを持っていて、それらを踏まえてアドバイスをくれます。

求職者自身の目だけでは、企業とのミスマッチを防ぐことが難しい状況もあるので、第三者であるプロの介入が功を奏することが多々あります。

「ミスマッチ」とはどのような意味か?

「ミスマッチ(mismatch)」とは、そもそもどのような意味を持つ言葉であるのかを確認していきましょう。

一般的な「ミスマッチ」の意味

ミスマッチとは、一般的には組み合わせが不適当であることや、釣り合わないことを意味しています。組み合わせの相性がよくないということです。たとえば、「今日彼女が来ているドレスは、靴の色柄とミスマッチですね」といった使い方です。

雇用における「ミスマッチ」の意味

雇用におけるミスマッチ

近年、ミスマッチという言葉は、雇用に関する問題において目立って使用されています。雇用におけるミスマッチとは、企業と求職者の間における意識や性格、希望条件などの不一致を意味しています。

たとえば、企業側が求めるスキルや年齢、雇用条件などが求職者の求める条件と一致しないことや、企業の風土に求職者の性格や特徴が一致しないということが、「雇用におけるミスマッチ」と呼ばれています。

雇用におけるミスマッチの現状はとても深刻

世界的に見ても、特に日本は米国と並んで、雇用のミスマッチが深刻化している国であると言われています。雇用のミスマッチが深刻化しているという事実は、企業側からすると人材が大変探しにくいということで、また求職者からすると希望条件に見合う求人情報に出会いにくいということを示しています。

雇用におけるミスマッチの現状ならびに具体的にどのような種類のミスマッチが起きているのかを見ていきましょう。

応募者が集まらないミスマッチ

そもそも企業の採用募集に対して応募者が十分に集まらないというミスマッチがあります。また、応募者との面接まで企業がこぎつけても、応募者側から採用試験の過程で辞退されてしまい、採用までなかなか至らないという状況も、ミスマッチの一つです。

この種類のミスマッチが起こる背景には、求職者が納得できる雇用条件を企業が提示できていないという状況があります。企業側と求職者で折り合いがつかない雇用条件の最たる例は、給与であると言えます。

早期離職を引き起こすミスマッチ

ビジネス街に向かって一人歩くビジネスマン

無事に企業に採用された求職者が、入社後に仕事内容や労働条件にギャップを感じ、そのギャップを解決することができずに早期に離職するミスマッチです。このミスマッチは、新卒採用・中途採用を問わず常に採用現場で起こっているミスマッチです。

特定の業種・職種で人手が不足するミスマッチ

職場のデスクで眠る疲労した社員

ここ数年、日本における有効求人倍率は1倍を超えて高水準を保っています。それにもかかわらず、大企業を中心に希望の仕事に就けない求職者があふれ、一方で特定の業種や職種において人手が不足するというミスマッチが起こっています。これは言い換えれば、労働の需要と供給のミスマッチということになります。

労働環境や社風、職場の人間関係に関するミスマッチ

「早期離職」を引き起こすミスマッチに通じるところがありますが、入社後にその企業の労働環境や社風になじめなかったり、同じ職場でともに働く上司や先輩社員、同僚との人間関係がうまくいかなかったりするミスマッチも多く存在します。

このミスマッチは往々にして休職や早期離職を招くことが多く、新卒採用・中途採用を問わず大きな問題となっています。

幅広く情報を集め雇用のミスマッチを防ごう

企業側が出す求人情報の透明性などは、企業側にゆだねるしかありません。しかしながら、求職者が受け身になってしまわずに、能動的に応募先企業の情報を集め、ミスマッチがないか入念に確認しながら採用試験に臨む姿を見せることは、企業側の採用姿勢にも大きな影響を与えていくと言えます。

一般的には知られていない中小企業でも、よく調べれば求職者のスキルや希望条件に合致することが少なくありません。世間一般の意見に惑わされず、幅広い視点を持って仕事を探すことで、ミスマッチのない就職を実現しましょう。