調剤薬局事務の仕事内容とは?
調剤薬局事務の仕事内容は受付業務ということもあり、特に女性に人気の職業です。老若男女問わず患者様が訪れますので、人当たりの良さやコミュニケーションスキルは必須です。また、データ入力などの業務もありますから、最低限のPCスキルも必要となります。
今回はそんな調剤薬局事務の仕事内容や勤務形態の実態について、経験者の声を参考に詳しくまとめました。
調剤薬局事務員の勤務形態
調剤薬局で働く場合、基本的には「8:30~17:30」「9:00~18:00」といった通常の企業と変わらない勤務形態です。中にはシフト制のところもあり、この場合は「8:30~17:30か10:00~19:00」など、早番や遅番で時間が変則的となります。
休日については月8~10日ほど、日曜は基本的に休みという薬局が主ですが、「木曜と土曜は半日勤務」など、その薬局によって異なります。
調剤薬局事務の主な仕事内容
調剤薬局事務における仕事内容は、以下のように多岐にわたります。
- 薬局内の掃除
- 患者様の受付
- 会計
- お薬手帳の発行
- 電話応対
- 処方箋内容の入力~発行
- レセプト入力(保険請求)
- 請求書の作成
- 日報・報告書の作成
- 薬の発注~入庫作業
- 薬剤師の補助業務
調剤薬局事務の仕事は事務職でもあり、対患者様となる接客業でもあります。メインはこの患者来局時の応対となりますが、雑務も少なくありません。
また、個人情報を扱うため、どんなに忙しくとも入力ミスなどは許されない責任の重い仕事です。
調剤薬局事務の仕事で大変なこと
調剤薬局事務の仕事の中でも、月一のレセプト請求は残業して行うこともあり、苦労する方が多い傾向にあります。また、ミスが許されないデータ入力の業務にも非常に気を遣います。
その他としては、接客業の宿命とも言えますが、気難しい患者様やクレームへの対応に手を焼いたという声も多く寄せられました。常に言葉遣いにも気を付け、笑顔で丁寧な対応を心掛けなければなりません。
調剤薬局事務の仕事を通じて感じたやりがいや魅力
やはり、自分自身や自分の家族が日頃飲んでいる薬が身体にどういった影響を及ぼすのかなど、なかなか普段は知ることのない薬に関する専門的な知識が身に着くことは、日常生活においても役立ちます。保険の知識についても詳しくなれるというのも大きなメリットのひとつでしょう。
また、調剤薬局事務においてはデータ入力を迅速に行わなければならないため、タイピングのスピードが上がるといったスキルアップにもつながります。
調剤薬局事務の仕事内容を経験者からリサーチ!
10名の経験者の方から、調剤薬局事務の仕事内容や勤務形態について詳しく調査しました。20代、30代、40代の年代別に分けて紹介していきます。
20代の調剤薬局事務経験者の声
新卒で働かせていただきました
なつみ(21歳)
私は新卒で調剤薬局にて事務をしていました。働いていた調剤薬局の勤務時間は8:30~17:30か10:00~19:00です。シフト制でした。休みもしっかりしていて月に8日取得することができます。基本的に希望がある日は月に2回程度であれば休みたい日を選択することができます。
私が働いていたときは受付と処方箋のチェックが主な仕事でした。お薬手帳の発行、レセプトの入力も大事な仕事内容となっています。また午後は比較的暇になるので午後は薬の補充や会計の金額の確認を行っていました。私は計算が苦手なのでこの会計の金額が合わないと本当に大変でした。
しかし、しっかりと仕事に慣れてくると、いろいろな薬に対して「これはどのようなものに効く薬なのか」ということを理解できるようになるので、これは私生活でも非常に役立っています。
調剤薬局事務
らんらん(25歳)
私は以前まで調剤薬局の事務として働いていました。以前から事務職で働きたいと思っていて、しかし事務職の求人はなかなか見つかりませんでした。そんななか新しく始まる調剤薬局の事務の募集があったので応募してみると採用されたので働き始めました。勤務時間は9時から18時までで休日は100日もありませんでした。
仕事内容はまずは掃除から始まり、医薬品の確認などを行います。患者様が見えたら処方せんと保険証を確認させていただきます。患者様の情報と保険証の情報をパソコンに入力して、薬剤師の方の調剤が終わったら、調剤内容を入力し、処方箋を発行します。お薬と処方箋をお渡しし、お支払をしてもらうまでがお仕事でした。
特に大変だったのはレセプト作成でした。月末になるといつも残業してレセプト作業をしていました。しかし、やはり患者様からありがとうと言うお言葉をいただくと、この仕事をやっていて良かったなと思えました。
たくさんのことを学べます
ひかる(27歳)
私が勤務していた薬局では早番と遅番がありました。早番は8:30~17:30、遅番は10:00~19:00でした。休日は月曜から土曜で内1日、日・祝日です。基本的に、病院の勤務形態に勤務時間や休日は合わせます。お盆や年末年始の休日は充実していました。
薬局での仕事内容は、接客受付、電話応対、薬の発注や書類整理など多岐にわたります。
この仕事で大変なことは、色々なことが求められるところです。薬という命に関わる仕事なので正確さ、電話応対や接客があるので臨機応変さ、また新しい薬が開発されたり、薬事法も改定されたりするので貪欲に知識を吸収することも必要です。それに、やりがいも求められる方は続けられると思います。
この仕事をしてよかったと思えるのは、大変なことが多い分、すごく成長できるところです。2年程しか働いていませんでしたが、その場に応じた対応が出来るようになったり、どんな時でも冷静さを失わないようにしよう、など他の仕事に活かせることがたくさん身に付きます。
また、薬の知識が増えるので、日頃自分が飲む薬にどんな成分が入っていて体にどんな影響があるのか、などの事を考えながら生活を送れるのはとても役に立ちました。
調剤薬局事務について
てるてるボウズ(28歳)
私が勤務していた調剤薬局では9時~20時まで開いており、週に40時間の決まりの中でシフト交代制でした。休日は週休2日と半日の日が週2日あったので変則的ではありますが、月に8日は休めていました。
調剤薬局事務の仕事ですが、主に患者様から処方箋を受け付けて、保険証の確認を行い、処方内容をパソコンに入力したら領収証やお薬の説明書きを薬剤師に受け渡すまでが一連の流れです。
その他、薬剤師の手が開かない時は足りないお薬の手配を他の調剤薬局店舗から手配したり、医療雑貨の販売や医薬品(OTC)の相談・販売・発注もしていました。
仕事をしていて大変なことは、患者様は老若男女と幅広いので言葉使いや説明の際にわかりやすいように伝える事に苦労しました。ケガや病気で来客される方がいる中で、保険についての説明を丁寧でかつ迅速に伝えなければ患者様に不安を与える事になってしまい、クレームにつながることもあります。
ですが、逆に言うと、親身になってお話を聞いたり笑顔で接することで、薬剤師ではなくとも患者様に安心感を与えることができると感じました。保険の知識は薬剤師より自信があったので様々な角度から患者様と向き合えました。
調剤事務の裏側
こここなっつ(28歳)
調剤事務として働いていたときのことをお話します。勤務時間は9:00から17:00、10:00から18:00までの2つのパターンがあり、休日は月に7日ありました。また、別途有給休暇もあり、職場の方と相談してみんなが利用できるように工夫もなされていました。
調剤薬局事務の仕事内容は、患者様が持参された処方箋からお薬代の計算をするといったものでパソコンを使って処理をしていました。それに伴い保険証や公費の確認など、患者様によって確認する項目が違うため、それらを把握することが大変でした。
大変なことは、言葉遣いに気をつけることと月末の締め処理に時間がかかることです。場合によっては遅くまで残ることもあるので辛いなと感じることもありました。しかし、患者様から親しく声をかけていただいたり、お薬の情報がわかるようになったのは調剤薬局事務の仕事ならではの特権だと感じています。また機会があれば働いてみたいです。
調剤薬局の仕事
みどり(29歳)
私は調剤薬局で9:00~18:00のフルタイムで働いていました。休日はだいたい月8日でした。
調剤薬局での仕事は主に接客や処方箋内容の入力です。他にはレセプト作成、お薬の発注や入庫作業、請求書の作成や日報の入力、月次報告書の作成等です。調剤薬局では毎月患者様が薬局で支払うお薬代の保険分を請求しなければなりません。その作業を月初に行います。これは薬局の売り上げになるのでとても責任重大な仕事で、これが大変でした。
もちろん、調剤薬局で事務をしていて良かったと思うこともあります。調剤薬局で事務をすることによって保険のことに詳しくなりました。保険の仕組みもわかり、自分や家族のために役に立つ知識を得たことはこれからの人生において良かったと思います。
30代の調剤薬局事務経験者の声
調剤薬局の仕事
しーば(30歳)
勤務時間は8:30~18:30で、休日は木・土の午後と日曜日で月に8日程度です。
仕事内容としては、まずは処方箋を預かる受付業務です。処方箋の入力をする、お会計の事務仕事と、薬剤師の補助業務です。薬剤師の仕事を手伝えるのは範囲内なのでピッキングなどの簡単なものになります。
薬局で大変なことはやはり患者様への対応が一番だと思います。私の薬局は近所の人が来るのが多く定期患者様が多かったのですが、気難しい患者様もいました。その方々にはと注意をしていないと怒らせてしまうことがあるので気を遣いました。
また、入力のミスなども後で大変になってしまうので必ず入念にチェックをしていました。
薬局の仕事をすると薬の知識が増えていくので普段ドラッグストアなどに行くと薬の成分などがわかるようになりよかったです。私は薬局事務の仕事が好きだったので、またいつか戻れる日が来るといいなと思っています。
調剤薬局事務のすすめ!
ゆうた(35歳)
調剤薬局勤務の30代男性です。勤務時間は朝の8時半から夕方5時半までとなっています。ただ、隣に病院があるのでその病院の最後の患者さんの診察時間が遅くなると30分ほど延長する時もあります。休みは日曜祝祭日と盆正月で、一般的な調剤薬局と変わらないと思います。
仕事内容はカルテ伝票の入力管理が主で、患者さんの個人情報を扱っていますから、入力ミスなど一切許されません。患者さんが多いと入力内容も多くなってきますので、パソコン疲れで目や肩が痛くなる程度です。
調剤薬局事務をしていてよかったと思えることは、外仕事をしている人と違って暑い寒いとか天気に左右されることもなくその点はとても楽です。また、入力作業もそこまで難しいこともないので、研修を受けて慣れてさえしまえばあとは簡単です。
医療関係の仕事なので給与も薬剤師さんに比べるとそこまでないですが、一般事務に比べると高い方ではないかなと思います。
調剤薬局事務の仕事について
たら(36歳)
調剤薬局事務の仕事を始めたのは、たまたまその調剤薬局に張り出されていたパート募集の張り紙を見て応募したのがきっかけです。最初の半年程は午後のみの勤務から始め、それからは9:00から18:00までのフルタイムで働いています。
月に1、 2度土曜日の勤務がありますが、その他の土曜、日曜祭日は休みです。その月にもよりますが、だいたい月に8~10日程休日があります。
仕事の内容は、朝の店舗内外の清掃から始まり、入荷してくる薬の検品、棚への収納、患者様の受付、処方入力、会計、薬品の発注など薬剤師の補佐業務など多岐に渡ります。このお仕事は患者様あってのものだと思います。
対応ひとつで患者様に不快な思いをさせてしまうこともあり、いかに気を配り患者様目線で対応し、気持ちよく帰っていただくかは、この仕事をしていく上で私の永遠のテーマであり難しさも感じています。
勤めるまではあまり気にしては気にしていませんでしたが、働いていると薬のことも、薬剤師さんほどではありませんが詳しくなり、飲み合わせや重複の怖さもあることがわかり、子供や自分、家族が飲む薬について気をつけるようになり、より慎重に扱うことができるようになっています。
40代の調剤薬局事務経験者の声
調剤薬局で事務をして思ったこと
ぷーさん(40歳)
朝は8時30分から夕方5時30分までの勤務時間で、木曜日と土曜日だけは半日勤務で13時まででした。お休みは木曜日と土曜日の午後のお休みと日曜日のお休みで大体月に8日程度のお休みです。
調剤薬局事務の仕事内容として、毎日行うのは処方箋を患者さんから受け取り入力する仕事です。その他は薬剤師のお手伝いをしたり、掃除などの雑用が多かったです。
仕事で大変なことは、私的には仕事内容というよりは休みが取りにくいことでしたね。病院の前の調剤薬局なら土曜日は完全に休みのところもあると思いますが、個人医院の前の調剤薬局でしたので、医院の休みと合わせる感じです。土曜日診療をしていたので土曜日はほぼ休みはありませんでした。
でも、調剤薬局の事務をして良かったこともたくさんあります。まずはお薬の知識が身につく事ですね。薬剤師の先生程ではないですが、薬の名前を聞けば何の薬かは分かるくらいにはなりました。
他にも、患者さんを待たせないように必死に入力するので、入力スピードもグッと早くなりました。私にとっては、休みは少ないけれど勉強になり楽しく仕事できた10年間でした。機会があればまた調剤薬局の事務の仕事に就きたいと思っています。
調剤薬局事務員の需要は高い
厚生労働省の調査では、年間に調剤薬局で受け付ける処方箋の実数とともに薬局数も増加傾向にあります。このことからも、さらに調剤薬局事務員の需要は高まっていくことでしょう。
もちろん、楽な仕事ではありませんが、引っ越しが多い転勤族の方でも比較的就職口が見つかりやすく、再就職がしやすいというメリットもあります。興味のある方はぜひ求人を探してみてはいかがでしょうか。