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出世欲がないのは損?20代からはじめる会社での生き残り術

「出世欲がありませんけど、何か?」と開き直るのは簡単だけど、だからといって怠けてばかりいると、会社でのあなたの立場は危うくなってしまいます。そのような事態を避けるためにはどうすればいいのか?ここでは、出世欲がない人の特徴と社内で生き残る方法を徹底解説。

出世欲がない人は損をするのか?会社内で上手に生き残るコツとは

晴れて就職したら、目指すは管理職!「バリバリ働いてガッポリ稼いで、最終的には社長にまで上り詰めてやるぞー!」と、新社会人が熱く語っていたのは遥か昔のこと。今のご時世では、出世欲がないのは当たり前。そこそこ頑張って、そこそこお金がもらえればいい…という人が増えています。

しかし!出世欲がないからといって、いい加減に仕事をしていると、後々とんでもない目に遭うことに。そうならないためには、社内で賢く立ち回るための処世術を身につけることをおすすめします。どうすれば、出世欲がなくても会社で生き残っていけるでしょう?

ここでは、出世欲がない人の特徴のほか、どうすれば会社の中でいい感じに居場所を作ることができるのか、その方法について解説していきます。

出世欲がない人の6つの特徴

世の中には「出世する人」と「出世しない人」の2種類の人がいますが、実は、それ以外のカテゴリーとして「出世欲がない人」が存在します。出世欲がない=仕事をしないと思われがちですが、それは大きな間違いです。出世欲がない人には、主に次のような6つの特徴があります。

1.ガツガツ感がゼロ

どちらかといえば肉食系というよりは草食系で、チャレンジするよりは現状維持が好き。努力して大金を手に入れるよりは、毎日が好きなことをして楽しければそれでいい…そんな、ギラついた印象を全く与えないのが、出世欲がない人の分かりやすい特徴です。

2.仕事は可もなく不可もなくこなす

何をするにも「俺が俺が」「私が私が」と自分推しする人と違って、出世欲がない人は決して目立つ存在ではありません。と言っても、仕事ができないわけでもなく、基本的なことをこなすスキルはありますが、それ以上でもそれ以下でもない。そこそこの位置をキープしながら会社に溶け込んでいきます。

3.働くことに対する情熱やこだわりがない

出世欲のない人にとって、仕事とは「こなす」ものであり、決して「打ち込む」ものではない。もちろん、世の中には自分の夢を実現して、やりたかった仕事に就いた幸運な人もいますが、それは一握りの人と割り切って、あくまでも生活のために仕事をしています。

4.社内の人脈作りに興味がない

出世のためと思えば、上司に媚を売るのが苦にならなければ、コネを作るために飲み会や懇親会にも積極的に参加する、そんな人と対局にあるのが出世欲のない人です。退社後のプライベートな時間を会社の人と過ごすなんて…という意識が強いので、飲み会に誘われても堂々と欠席します。

人脈の作り方とは?新たな人との繋がりや仕事を引き寄せるためのコツ

5.ほどほどのモチベーション

出世欲がないからといって、全く働く気がないというわけはなく、仕事に対する熱意がないわけではありません。ただ、「頑張りすぎない程度に働けばいい」くらいのモチベーションをキープしているので、上司や先輩からは「やる気がない」という誤解をされてしまうこともしばしばです。

6.自尊感情は高いが自己有用感は低い

出世欲がない人は、自分自身のことを好きだと感じる「自尊感情」はそこそこあるのに対して、自分は会社に役立っていると感じる「自己有用感」はあまり高くないのが特徴。そのため、「今回は自分がいたから受注できた」とか「新しい企画を成功してみせる」みたいな、変な気負いがありません。

出世はすべきなのか?知っておきたい出世のメリット・デメリット

出世はしないよりはした方がいいに決まっていますが、出世欲のない人の中には、出世の具体的な良さが分からないという人も多いことでしょう。そんな、いまいち出世には興味が持てないという人は、もっと出世について理解を深める必要があります。

ここで紹介する出世するメリットとデメリットを知ることで、出世すべきかどうかを判断しましょう。

出世する人と出世しない人の違いは?特徴から見る出世の道

人間的な成長も!出世で得られるメリット4つ

1.お給料がアップする

お金はあるに越したことはありません。会社内で順調に出世ができれば、その時々の人生の流れに見合った金額がもらえるようになるので、プライベートも充実感で満たされていきます。

2.人脈が広がる

出世して仕事の幅が広がると人に会う機会が増えるので、自然と人脈が広がっています。人との繋がりが増えると、得られる情報の量も増えるので、仕事を成功へ導くという好循環を生みます。

3.仕事にやりがいを感じる

出世をすると「がんばろう!」「期待に応えよう!」と前向きな気持ちになれるもの。その前向きな気持ちが働き方にも表れて、ますます周囲からも頼られる存在になります。

4.スキルアップのために転職できる

出世をするということは、優秀な人材だという証ともいえることなので、現在働いている会社だけでなく、他の企業にとってもノドから手が出るほど欲しい存在のため、転職しやすくなります。

こんなはずじゃなかった…出世の先に待ち受けるデメリット4つ

1.思ったほど給料が上がらない

社員の給料というのは会社の売り上げと直結しているため、会社の業績が悪ければ、いくら一生懸命働いて出世したからといって、必ずしも高額の給料をもらえるというわけではありません。

2.プレッシャーを感じることが多い

出世をするということは、今までにはなかった責任が付きまといます。自分の仕事だけでなく、グループの売上や新規事業、部下の育成など、抱える責任の重さが何倍にも重なってきます。

2.嫌なことを「NO」と言えなくなる

出世をするといろいろなことを考慮する必要がある上、部下の手前もあるので、あからさまに個人的な感情を露わにすることができなくなり、言いたいことも言えなくなってしまいます。

4.プライベートの時間が減る

出世をすると、やることが増えるのでいくら時間があっても足りません。とはいえ、1日は24時間しかないので、プライベートの時間を活用することで帳尻を合わさざるを得なくなります。

出世欲がなくて20~30代で怠けるとこうなる!

出世欲がないからといって努力もせずに、毎日楽をしてばかりいると、将来思ってもみなかったようなツケが回ってくることも…。40~50代になってから、次のような深刻な事態に陥る可能性があるということを、しっかりと理解しておきましょう。

リストラの対象になりやすい

勤続年数ばかり長いくせに、仕事ができなければ知識や技術もない、そんな金食い虫のような社員は、格好のリストラの標的となります。あの時もっと頑張っておけば…と悔やんだところで、後の祭りです。

リストラとは?人員整理の実例や対象にされやすい社員

後輩が上司になる

出世欲がなく役職もなし、そんな状態が長く続いていると、気づくと後輩が上司になっていた…なんてことはよくあること。新入社員の頃に仕事を教えた相手に、毎日ガミガミ小言を言われるのは意外と切ないものです。

社内に居場所がなくなる

出世もしないでノラリクラリと過ごしていると、徐々に社内で煙たがられる存在になっていきます。上司や先輩からは呆れられ、後輩たちから陰でバカにされ…そんな状況で行き場を失くしてしまうかもしれません。

いつまでたっても給料が上がらない

40~50代になると、同世代の人との格差がリアルに感じられるようになります。特に、出世もせずにいると、もらうお給料の金額の差は歴然で、「マイホームを建てた」とか「新車を買った」という話題についていけなくなります。

転職がしたくてもできない

何らかの事情によって、勤めている会社を辞めざるを得なくなった場合、出世していないと転職が難しくなります。誰だって、いい歳をして使えない人を雇うよりは、若くてやる気のある人材に魅力を感じるはずです。

出世欲がなくても安心!年代別ちょうどいいポジションの取り方

出世欲がないのは個人の自由ですが、だからといって仕事をおざなりにするのは言語道断。仕事をする以上は、社内での自分の立ち位置をしっかりと築き、頼りにされる存在になりたいものです。でも、やっぱり出世はしたくない…という人は、ここで紹介するポジショニングを参考にしてください。

20代~30代前半

新人社員から中堅社員までのこの世代では、いくら頑張って仕事をしても、さほど大きな出世をすることはありません。そのため、この期間は将来のための足場作りの時期と考えて、仕事をきちんとこなせるようになる必要があります。

周囲の人たちに対して、最低限の礼儀を持って接していれば角が立たたないので、会社内での居場所をしっかりと確保しながら、波風を立てずに毎日を送ることが大切です。

出世欲がない人へのワンポイントアドバイス

ひとまず目の前の仕事はキッチリこなしましょう。

30代後半~40代前半

中堅社員ど真ん中のこの年代は、仕事はできて当たり前。さらに、付加価値を求められることから、出世をせずに安泰なポジションを得るためには、仕事につながる新しい知識や技術を身につける必要があります。

ただし、あくまでも出世は二の次なので、社内で目立ったり後輩に好かれようとしたりせずに、足場固めのためと割り切ってスキルアップに邁進しましょう。

出世欲がない人へのワンポイントアドバイス

目立たないよう密かにスキルアップの努力をしておくべし!

40代後半~50代

まだまだ年功序列が残っているような会社で、しかも、リストラ対象になっていないという人には、いくつになっても出世の機会が待ちうけています。さすがに、もう出世することはないだろう…と高をくくっていると、遅咲きの管理職に任命されることも。

このような状況で、出世欲がない人には「断固拒否!」という選択肢もありますが、会社側から「どうしても」と懇願された場合は、甘んじて受け入れることも大切です。

出世欲がない人へのワンポイントアドバイス

多少の出世を受け入れる度量の大きさを持ちましょう。

出世欲がなくても仕事をキッチリこなせば将来は安泰!

出世欲がない人は、一般的には世捨て人のように思われがちですが、必要なスキルを身につけてしっかりと仕事をこなすことで、意外と会社の中で居心地良く働くことが分かりましたね。ポジショニングという重要なプロセスをくれぐれも怠らずに、まずはしっかりとした足場を築きましょう。

そうすることで、たとえ出世をせずとも、素敵な会社員人生を歩むことができるはずです。