現役営業マンがおすすめするのはどんな本?
これだけの数の商品を売る、成約率をここまで上げるなど、多くの営業マンは日々ノルマに追われて大変な思いをしています。
思うように成果を挙げられずに悩んでいるなら、上司や先輩からアドバイスをもらう、どうしたら成果を上げられるかを自分なりに調べるなど、現状を打破する方法を色々考えて実践していかなければなりません。
今回は営業マンとして活躍中の皆さんに、仕事で悩んだ時に読んだ本について聞いてみました。営業の仕事での悩みが、本を読むことで解消されることも少なくありません。
- ユダヤから学んだモノの売り方(立川光昭/著)
- 大型商談を成約に導く「SPIN」営業術(ニール・ラッカム/著)
- 営業の魔法(中村信仁/著)
- 自分を劇的に成長させる!PDCAノート(岡村拓朗/著)
- 伝え方が9割(佐々木圭一/著)
- 人を動かす(デール・カーネギー/著)
- 考え方と生き方を変える10の法則(ビル・オハンロン/著)
お客様の気持ちに寄り添いながら、本当に欲しいと思っているものを提案・提供するためにはどうすればいいのか、そのヒントを得られるような本が多く挙げられています。
今回体験談を寄せてくれた皆さんは、仕事に対する悩み事が読書によって解消されています。悩みが解消されて仕事をスムーズに進めるようにするには、本を読んだだけで満足せずに、書いてある内容を自分なりに実践することが大切です。
営業職の悩み解消に役立つ本を選ぶポイント
営業本の購入を検討しているなら、買って良かった!と思える本を選びたいものです。ここで、仕事の悩みを解消するために本当に役立つ営業本選びのポイントを見てみましょう。
聞く力が足りない・うまく話せないなど悩みに応じた営業本を選ぶ
営業の仕事の悩みを解消するために、意外と大きな役割を果たしてくれるのが本です。
例えば相手の話を聞く力が足りないと悩んでいた人が本で聞き上手になるコツを知り、お客様が本当に欲しがっているものを聞き出せるようになり、それが契約成立につながった。あるいは、電話営業に不安を抱えていた人が本で紹介されていた話し方を実践したら、お客様と楽しく会話しながらも自社製品の良さをわかってもらえたなどという場合もあるでしょう。
このように、本から仕事上での悩みを解消するヒントをもらうこともできます。
お客様の本音を聞き出すのが苦手な人は聞く力を養える本、お客様に自分の思いや商品の魅力を的確に伝えるのがうまくできない人は伝えるテクニックを学べる本というように、どんな悩みがあるかによって選ぶべき本も変わってきます。
これはぜひ読んでみたい!と思う興味がある営業本を選ぶ
自分が読んでみたいと思った本なら自然と読書意欲が高まるため、買ったけど結局読まなかった・・・ということにならずに済みます。
立ち寄った本屋でふと目に留まった本を手に取ったという人もいます。本のタイトルや書店員さんの手書きポップなどを見て読みたいと思ったものを選んでも良いでしょう。本選びは自分の直感を信じることも重要です。
同じ営業の仕事をしている先輩など周囲の人のおすすめ本を選ぶ
営業の仕事で悩んでいる人は、上司や同じ職種に就いている家族に読書を勧められた本を選んでも良いでしょう。同じ営業の仕事をしているのであれば、同じようなことで悩んでいる場合もあります。そんな人のおすすめ本を読めば、参考になることも多いかもしれないので、一度は読んでみる価値ありです。
経験豊富な上司や先輩イチオシの本からも学べることは多いでしょう。悩み事の解消に役立てるだけでなく、「憧れの上司や先輩が参考にした本を読んで、営業に必要な様々なテクニックを身につけ自分も頑張るぞ!」と、仕事のモチベーションアップにもつなげることができます。
口コミランキングなどで人気の営業本を選ぶ
インターネット上の口コミランキングなどで人気を集めている本を選ぶのも方法の1つです。また、本屋ではランキング形式で人気の本が並べられていることもよくありますので、上位にランクインしている本を手に取るのも良いかもしれません。
人気が高い本はそれだけ多くの人が読んでいるということなので、そのような本から得られることも多くあるでしょう。さらに人気の本を読んでおくことで、職場や営業先での話題づくりにも役立ちます。
この本が営業の仕事の悩み解消に役立った!体験談
どうしたらもっと商品の良さをわかってもらえるのか、どうしたらお客様の要望に応えられるのかなど数々の悩みを抱えている営業マン。様々な悩みを解消するために、読書を取り入れている人も少なくありません。営業の仕事の悩みを解消しようと読書をした7人の皆さんに、どんな本を読んだのか聞きました。
お客様の要望を把握する方法を知りたい人におすすめの本
自分が売りたいものを一方的に押し付けずに、お客様の気持ちを汲み取り本当に欲しいと思っているものを知ることは、営業の仕事をするうえでの基本です。『お客様のために』そんな初心を忘れないためには、こちらの本をおすすめします。
ユダヤから学んだモノの売り方
感動物語(42歳 営業職)
営業職に就いて15年です。
営業の仕事に役立ったのは『ユダヤから学んだモノの売り方』という本です。ユダヤの人はビジネスが巧みだと聞いていたので、世界中で成功を収めている彼らの仕事の仕方を知りたいと思っていました。そんな時に書店でこの書籍を見つけたのが購入のきっかけです。
今までの仕事の考え方が変わりました。ビジネスの基本であるお客様が欲しいものを知ってから仕入れて販売する。売れる事が明確にならないと仕入れない。お客様のリサーチを徹底的に行い、お客様が何を欲しているのか、それぞれの市場、国、地域での商品価値の違いなどを見極めるという事が営業として大事なのだと学びました。
今では売る商品よりも先に、売る場所でのリサーチに力を入れており、商談がスムーズに進むように感じています。
大型商談を成約に導く「SPIN」営業術
けい(25歳 不動産営業)
私は営業職に就いて3年の不動産営業マンです。
先輩との同行期間を経て独り立ちした時に、何をやってもうまくいかない期間が続きました。具体的には3ヶ月間なんの成果もあげられませんでした。このままでは解雇されそうだと思った私が指導をお願いした先輩から勧められた本が、ニール・ラッカムによる『大型商談を成約に導く「SPIN」営業術』でした。
この本には、営業の本質が書いてあります。特に不動産の場合に関しては単価が非常に大きいので、お客様が何を問題と感じていて、なにが本当に欲しいのかを正しく理解しないと成果につながりません。この本にはそれらを的確に捉える方法が記してあります。
この本を読んでから、年間最優秀賞等をいただけるほどの成果を出せています。
営業の魔法
やまやま(30歳)
私は営業職について6年です。
今でこそ、営業マネージャーとしてチームをリードすることが出来ていますが、営業職についた1年目は営業が嫌で怖くて仕方ありませんでした。私の営業手法は主に電話のみだったのですが、電話をかける時に手が震えてしまうくらいに営業が怖かったです。そんな時、上司から「営業の魔法」という本をプレゼントされました。
本の内容は1人の営業マンが成長していく物語的なお話です。その本を通じて「契約をとる!」とか「売りつける!」がゴールではなく、そのお客様の抱える課題に寄り添うことの大切さを学びました。また自分が勝手に思い込んでニーズなんてあるわけないと思い込む傾向があることにも気付かされました。
まずは顧客のことを知ること。その中で自分ができることを手伝っていくこと。まさに営業としての基礎を学べました。今でも上司に感謝しています。
仕事の手順を見直したい人におすすめの本
どんな仕事にも手順がありますが、正しい手順を踏んでやらなければ、効率よく進まなくなってしまいます。営業の仕事にも同じことが言えます。自分の仕事の手順を見直すために役立つのは、以下の本です。
自分を劇的に成長させる!PDCAノート
オカモト(32歳 商社)
営業職に就いて10年が経ちました。
営業で役立った本は、岡村拓朗氏の「自分を劇的に成長させる!PDCAノート」です。購入のきっかけは20代中盤から頭の中で思考を整理するのが難しくなり、何か良い方法は無いかと考え、『ノート術』を入口として、書籍を探すと黄色の背表紙に惹かれ手に取ったことです。
魅力としては、著者の体験談ベースなので自身の働き方に照らし合わせやすく、文章がとても読みやすいです。図も多いので日々のノートの使い方で迷いが無いです。わかっていた『つもり』のPDCAを理解し、習慣化しやすい形式で丁寧に説明されています。『この人だからできる』『自分には無理だ』と思うような難しい事は一切ありません。
当たり前過ぎて見落としていた仕事の重要な事を気付かせ、道に迷っていた自分を助けてくれた書籍です。
自分の思いをうまく伝えるテクニックを身につけたい人におすすめの本
営業の仕事に限らず、職場の人たちや取引先などに、自分の言いたいことがちゃんと伝わらなければ良い仕事はできないでしょう。自分の思いをうまく伝えるにはどうすれば良いか悩んでいるなら、こちらを読んでみてください。
伝え方が9割
なでしこ(33歳 宿泊業)
私は転職こそしているものの、大学を卒業してからずっと営業をしてきて、早11年目になります。
女の営業が珍しい業界ですので、だからこそ得なことも損なことも両方あります。どうしてもやりきれない気持ちになった時は「伝え方が9割」と言う本を読み、自分の言動に間違いがなかったか反省するようにしています。作者はコピーライターの佐々木圭一さんという方です。もともとコピーライターに憧れていたことと、ある程度仕事は慣れてきたはずなのにうまく伝えられなかった、と悩んでいた時にこの本に出会いました。
営業ですから受注をしないと結果とは言えませんが、受注が今できなくても、次回候補に挙げてもらえるよう興味を持ってもらうにはどうすればいいか、ライバルが多数いる中でどうやって印象に残るか、それは経験値だけではなくテクニックを知ることが必要なのです。この本には実際にすぐ使える方式が多くあり、ノーをイエスに変える技術がたくさん盛り込まれています。
取引先に対してだけでなく、社内での仕事やプライベートでも使えるので、私の大事な愛読書となっています。
人を動かす
おゆず(37歳 教育)
営業という仕事に関わり、かれこれ10年になります。新卒で就職した会社で6年、結婚後少しのブランクを経て、教育関連会社で4年、営業に携わっています。
営業の仕事は、結果が命。どうしたらもっと結果が出せるんだろう?個人の力だけでなく、チームとして、仲間として、最大限に力を発揮するにはどういったコミュニケーションの取り方をすればうまくいくんだろう?と思い悩んだ時期がありました。そんな時に出会った本が、カーネギーの『人を動かす』でした。手に取ったきっかけは、営業職のチームリーダーを任された時に営業管理職として仕事をする夫に勧められたからです。
なんだか古そうだし、初めはあまり期待もせず読み始めた本でしたが、私が想像していた以上に、大きな収穫を得られ、人生のバイブルともなる1冊となりました。営業というと、つい、技術や方法、知識の構築だけに目を向けがちです。しかしながらこの本は、それだけでなく、もっと人として大切な事に迫る内容となっていました。
人間としてのコミュニケーションの本質を追求する為、営業の仕事をする人はもちろん、家庭に入った方、学生さんにも読んでほしい1冊です。
考え方と生き方を変える10の法則
アキ(33歳)
営業職について10年になります。
営業をしているとうまくいくときもあればうまくいかない時もあります。上手くいく時は何をやっても上手くいく事が多いですが問題はうまくいかない時です。このうまくいかない時こそ、考え方や見る角度を変える必要があるかと思います。そんなときに役立った本がビル・オハンロン著「考え方と生き方を変える10の法則」です。ふと立ち寄った本屋で気になったのがきっかけでした。
この本のいい所は考え方や成功するパターンのテクニックと呼べるものが事細かに書かれている事。1章から11章までの構成になっていて、1つずつ実践できるようなものになっています。
営業だけでなく、仕事において大切な人間関係の構築にあたって重要なトーク力などのテクニックがこの1冊に詰め込まれています。
営業本は仕事の悩み解決の一助として使おう
営業職での悩み解決の糸口を本に求める人も少なくないでしょう。読書から得られたことを実践しても、その結果が本に書いてあるとおりになり、営業の仕事の悩みがすっきり解決できるとは限りません。
とはいえ、営業に役立つ本を読むことで仕事の悩みを解決する何かしらのヒントが見つかることも多いものです。
営業の仕事に悩みを抱えている人は、ここで紹介した現役営業マンの皆さんがおすすめする営業本を一度手に取ってみるのも良いのではないでしょうか。