アパレル店員の仕事内容について知りたい!
おしゃれや服が大好きな方であれば、一度は憧れるであろう職業といえばアパレル店員です。トレンドの最先端を押さえたファッションに身を包んでにこやかに仕事をこなしている姿は、とてもキラキラ輝いて見えることでしょう。
そんなきらびやかな印象ばかりが強いアパレルの仕事ですが、実はとてもハードな仕事でもあります。今回は経験者の方から体験談を伺い、アパレル店員の仕事内容や勤務形態、販売職ならではのやりがいや苦労話について詳しくまとめていきます。
アパレル店員の主な仕事内容
アパレル店員の仕事内容は早番、中番、遅番かによって多少異なりますが、主な業務としては以下のような内容をこなすこととなります。
- 接客業務
- レジ金の管理・売上報告
- 前日の引き継ぎ事項の確認
- 棚卸し
- 店舗の清掃・ごみ捨て
- 商品の在庫管理・発注・検品
- マネキンのコーディネート
- 服をたたむなどの店内整頓
- POP作成
洋服を売ることはもちろん、目立たない事務方の仕事もあります。その他、店内の清掃、POPの作成、マネキンへ服を着せるなど、お客様から見た雰囲気の良い店舗づくりもアパレル店員の大切な仕事です。
アパレル店員の勤務形態・休日について
アパレル店員の仕事は9:30~18:00、11:30~20:00、12:00〜22:00の遅番・中番・早番など店舗の開店時間内でのシフト制が基本です。
土日祝日は休めないことが多く、平日休みが主となります。休日は月7~8日取れる職場もあれば週に2回あるかないかというところもあり、ばらつきが見られます。特に繁忙期になるとなかなか休みがとりにくいというのが現状です。
アパレル店員の仕事の魅力ややりがい
コーディネートについて相談を受けて、自分が提案した商品を購入してもらったり、常連さんができたりと、販売職ならではのやりがいを感じられるのがアパレル店員の仕事の醍醐味です。自分のセンスが磨かれることはもちろん、それを通してお客様の喜びにつなげられる魅力ある仕事と言えます。
また、実際に商品を着用し、自分でセールスポイントを挙げてみるといったことは、アパレルに限らずその後のキャリアに役立つ貴重な経験だったと語る方もいました。
アパレル店員の仕事を通して苦労したこと
アパレル店員に限ったことではありませんが、その店の看板を背負っている以上、やはり接客業務には人一倍気を遣います。例え体調が悪かったりプライベートで辛いことがあっても、それをお客様に悟られることのないよう常に笑顔で店頭に立つことに大変さを感じているという声が多数寄せられました。「先輩スタッフのようなトーク力が身に着くまで苦労した」という方も少なくありません。
なお、アパレル店員は基本的に立ち仕事ですので体力勝負となります。毎日足のむくみと戦いながら頑張っているという方の声もありました。
さらに、間関係に悩むスタッフもいます。気持ち良く働くためにも、お客様への接客スキルはもちろんですが、職場内での社員同士におけるコミュニケーション能力も試される仕事です。
アパレル店員経験者が語る仕事内容のエピソード
実際にアパレルの仕事を経験された方々に、その業務内容や勤務形態について詳しくお話を聞いてみました。
20代アパレルの仕事経験者の声
アパレル販売員の日常
まぁちゅん(23歳)
アパレル販売員をしていました。勤務時間は早番、中番、遅番に分かれていました。早番は8時半~18時で、中番は11時~20時半、遅番は13時~22時半でした。一日9時間半拘束で8時間勤務、休日は月に8日~9日です。
仕事内容は、接客はもちろんのこと、服のたたみ、メルマガ作成やレジ、ストック整理などなどです。新人のうちは、ストック整理を任されることが多かったです。仕事で大変だったことは、残業が多いことです。繁忙期だと休憩すらとられませんでした。体力はもちろんのこと、精神力も求められます。素敵なお客様はもちろんいらっしゃいましたが、クレーマーのようなお客様もいらっしゃってそんなときはこの仕事がすごく苦痛でした。
仕事をしていて良かったと思ったことは、自分の勧めた商品をお客様が気に入って購入してくださったこと、そして、そのお客様が顧客様になってくださったことです。出会いが多いのが楽しかったです。
カジュアルブランドのアパレル店員
ねこぴー(25歳)
勤務時間は2交代制で早番が8時半~17時45分、遅番が11時~20時まででした。休日は月に8日間で基本的に平日休みのみでした。
仕事内容はレジ金の管理、発注や検品、棚卸しなどの事務作業、月に数回送られてくるブランドイメージのテキストを元に売り場を作り替えたり、接客以外の仕事も全般こなしていました。
仕事で大変だと思ったことは、常にトレンドを取り入れ、店を毎日のように作り替えていくことと、テナント店で通路真横の店だったため通行人が多く、お店を目当てに来ている人ばかりじゃなかったのが大変でした。また、外国人のお客様が多いストアだったのも大変でした。
良かったことは、お客様に喜んでもらえたことや顔見知りになって指名してくれる方が増えたことです。またスキルアップして、本社の会議に参加させていただけたことも自分の中で成長を感じられて嬉しかったです。
アパレルの表と裏
micheeel(27歳)
私がアパレル店員をしていた時は12:00~22:00で週5日、繁忙期は週6日でした。私は遅番だったので、レジ打ちや在庫出し、掃除や商品の整頓、ゴミ捨てやポップ作りをしつつ、接客をします。締め作業ではフロアの掃除、レジの締め作業などお店の大きさで、1~2人で終わらせます。
私がアパレル販売を経験して大変だと感じたのが人間関係です。レディース店だったので働いている方も女性しかいなく、常にいざこざがありました。私は仲良くできていましたが、先輩がターゲットになり辞めさせられてしまいました。女社会はとても怖く、次は自分じゃないかとビクビクしながら媚を売っていて、本当にチームワークは最悪でした。
しかしアパレル店員になって、お客さんとの接客で自分が勧めた商品を笑顔で買ってくれた時や気に入ってくれたときはとても嬉しかったです。
お客様の笑顔のために
さとこ(28歳)
勤務時間は9時30分から20時30分です。実働は8時間で、そのうち60分と30分の休憩があります。休日は7日から8日で、シフト制です。
早番、中番、遅番のシフトがあり、早番のスタッフはレジ開けと掃除をして開店準備をします。中番は、閉店後の片付けをします。遅番も閉店後の片付けとレジ閉めをします。どのスタッフも日中は基本的に接客とレジ対応と店内整頓(服をたたむ等)をします。その他にほぼ毎日商品が入荷するので、商品の検品と店頭出しの作業があります。
店頭では常に笑顔で、大きな声での挨拶をします。いくら体調が悪くてもお客様には関係のないことなので、なるべく悟られないように元気よく店頭に立つことはとても大変ですが仕事だと思って割りきってやります。
そんな大変な思いをしたときは、お客様のありがとうという言葉がいつも以上に身に染みます。この仕事をやっていて良かったなと思う瞬間です。
30代アパレルの仕事経験者の声
アパレル販売員の実態
あい(30歳)
私は大月卒業からアパレル販売員を始めて、今では店長とマネージャーを兼任しています。仕事の勤務時間は店舗販売の場合は早番と遅番に分かれることが大半です。
早番はオープンから19時くらいまで、遅番が12時くらいからクローズまでの勤務で昼と夕方の休憩があります。休みはシフト制で月8日と有給がありました。販売員の仕事内容は接客以外にも、納品された商品の検品や、商品の陳列などもあります。
仕事をしていて大変だと感じたことは、やはり正月のセール時期は毎年非常に大変です。12月からセールの準備が始まり、年末年始も仕事があります。
大変な中にもアパレルの販売員をしていて良かったなと思えることは、やはりお客様との繋がりです。顧客様が自分に会いにお店に通ってくださることが一番やりがいを感じます。また常にファッションに敏感になれるので、自分を磨くことが出来ます。
アパレル業の楽しさとは!
koo(31歳)
勤務時間は、8時から18時や12時です。休日は月に4~5日ですが、これもまた誰か急に休んだりすると、社員や言いやすい人にまわってくるのですが、平均4~5日は休みです。
仕事内容は服を売ることはもちろん、発注、在庫管理、マネキンに着せたり、掃除などですが、大きいとこやショップによっては会議もあります。
大変なことはやはり立ち仕事なので、しかもヒールの高い靴もありますので足がとても疲れるということです。また、お客様から見て憧れられるような、いわばモデルの様なものなので、常に色々な服を合わせたり、小物から髪型、メイク等、常に気を使わなければならないのもあります。その他、売れ残りの商品を買い取らなければならないことも辛いです。あと、しんどくても顔には出せませんので、常に笑顔でいなければなりません。
それでも、お客様に「お姉さんと全く同じものをください」と真似されたり、また来店されて「前回の服の評判がよかった」などと嬉しい話が聞けること、指名ではないですが、自分がいる時じゃないと買わない方が増えてきたときなどにはとても嬉しくなりますし、働いててよかったなと思います。自分が選んであげた服が評判がよかったという声をきける時が一番嬉しいですね。
店長との戦い
のんちゃん(35歳)
新宿にある某デパートに入っている店舗で勤務していました。11時に開店だったので10:40には店舗に到着して、閉店の20時まで勤務時間でしたが掃除などもあり、いつも20:30まで勤務していました。
勤務はシフト制で月6日休みがありました。朝は店舗の清掃、挨拶から始まり接客と午後に届く荷物の在庫管理がメインの業務でした。
大変だった事は1日中立っているので脚が常に浮腫んでいて体力的に辛かったです。そして、女性の職場だったので店長の機嫌次第で雰囲気が変わります。副店長もかなり癖の強い人だったので入社当時から意地悪も多く結局仲良くなることは無かったです。
割引はありましたが自分で洋服を購入しないといけなくて、それも店長に聞かれて今日は買いませんというと「もう聞いてあげないからね」と嫌味を言われます。
でも、お客様とお話するのは楽しいですし、何度も買いにきてくれる人ができた時にはとても嬉しかったです。あとは、雑誌に載ったときも嬉しかったです。
休みが合わない
shi(35歳)
基本的に休みはシフト制で週に2回あるかないかでした。土日休みは取れなく平日の休みだったため友人とは休みは合わせにくかったです。
洋服の販売業務でしたが1日中立ちっぱなしで自分はいつも革靴を履いていたので毎日足がむくんでいました。でももちろん疲れた顔は出してはいけないし常に笑っていなければならないのが苦痛でした。
また、来客するお客様全員が必ず買っていくわけではなく、見るだけの方ももちろんいました。はっきり言って服をたたみ直すのは面倒です。繁忙期は店内は人で入り乱れているので人に酔う、という感じでした。
それでも買いたい洋服を相談されてこちらが提案した商品を買っていただいて気に入ってくれて後日それを着て来店していただけるとかなり嬉しかったです。
40代アパレルの仕事経験者の声
答えがひとつではないところが難しかったです
Non(44歳)
以前アパレルの販売を3年していたことがあります。勤務時間は早番だと10時30分から7時、遅番だと12時30分から20時、1日通しだと10時30分から20時まででした。これをシフト制で店長がシフトを作ります。
休みは繁忙期は月8日、そうでない時は9日でした。販売職だったので接客が主な仕事、その他入荷した商品の品出し等です。後は少し長く働くようになるとレイアウトやディスプレイをかえたり、商品会議に出たりと色々ありました。
接客は慣れるまでは声をかけるタイミングが難しかったです。でもそれよりはレイアウトやディスプレイをかえるのが苦手でした。これらは好みもあるので答えが1つではありません。自信をもってやっていかなければ色々意見を言われると迷ってしまうからです。ただ色々な方のセンスや洋服の見せ方等はとても勉強になりました。
良い面も悪い面もある
mtrm(41歳)
勤務時間は9:30-18:00、11:30-20:00の早遅番のローテーションでした。早番は店舗の開店と掃除、前日の売上チェックと引き継ぎ事項の確認など、遅番はレジの締めと売上報告、銀行への入金などの閉店作業を行なっていました。休日は月に8日あり、割と希望の休みが取れていたように思います。
仕事内容としては、先程の早番遅番の業務に加え、通常業務は店頭に立っての接客、商品チェック、打ち出し商品の陳列、掃除など、一般的な接客業務と変わりありません。
仕事で大変なことはやはり接客でしょうか。冷やかしで来店された方に如何に購入して頂くかを日々考えてました。トーク術は先輩の対応などを参考にしつつ、自分の言葉で言えるよう努力が必要でした。また新卒での入社だったため、研修中は毎日報告書を書かされました。これが一番キツかったです。
それでも、商品を見て、実際に着てみてセールスポイントを考えることはその後の接客業務にも大変役立ちましたし、自分では考えつかないコーディネートを教えてもらったり、勉強になることはとても多かったように思います。
アパレルの仕事は楽しさも苦しさもある
今まで「アパレル店員=服を売る仕事」という漠然としたイメージしか持っていなかったという方も、アパレルの仕事がいかに幅広くハードなものであるかを感じられたことでしょう。
今回寄せられた体験談では、接客業ならではの楽しさや苦悩の両面をうかがい知ることができました。アパレルスタッフを目指している方は、ぜひ経験者の声を参考にして自信のキャリアプランを見つめ直してみてください。