退職を決めたら早めの行動を心がけよう
退職の相談をしてから実際に職場を後にするまでには、時間がかかるものです。そのため、退職することを決めたらできるだけ早く行動することを心がけましょう。また、退職を真剣に考えた時に、まず誰に相談するべきなのか、そしてどのように切り出していくのが良いのかといったことを間違えないようにしたいところです。
退職の相談は絶対に直属の上司にするべき
退職の相談は誰にすれば良いのか、と迷う人も多いでしょうが、絶対に直属の上司にするべきであると言えます。上司を飛び越えて一つ上の立場の人に相談したりすると、上司に話が通っていないために混乱を招くことになってしまいます。
また、上司の顔を潰すことにも繋がりかねません。わざわざ直属の上司を無視する必要はありませんから、いつも接している上司に相談するようにしましょう。
退職の相談はどのようにするべきか
退職の相談は上司にするとして、その方法にも気をつけなければいけません。社会人として、マナーを守った方法で退職の意思を伝え、決定させ、立つ鳥跡を濁さずで退職したいものです。
退職の相談は二人になれる場所でする
退職の相談をする時は、必ず会議室のような個室を使って、上司と二人になれる環境を作りましょう。大勢がいるフロアや、いつものオフィスでいきなり相談をすると上司もゆっくりと話を聞くことができなくなってしまいます。
また、周囲にいる同僚に話を聞かれてしまうというデメリットもありますから、やはり集中して話せる個室を使うことがおすすめです。上司と一対一で話すことで、自分の中で整理しながら話すことができるようになるので、落ち着いた環境はとても大切であると言えるでしょう。
上司にはあらかじめメールでアポをとっておく
退職の相談の時に上司を個室に呼ぶためには、あらかじめアポをとっておく必要があります。できればメールで済ませておくのが理想的ですが、上司がメールを見るタイミングがなさそうであれば口頭で伝えておきましょう。
メールをおすすめするのは、その場での詮索を避けるためです。「後ではなく今言ってほしい」と言われると、どうしても後で違う部屋に来てほしいという理由を説明しなければならなくなってしまう可能性があります。そういったゴタゴタを避けるためにも、こちらからはメールを送っておくのに留めておきたいところです。
退職の相談はメールではなく必ず口頭でしよう
退職の相談をする時は、口頭でしなければなりません。メールやLINEなどで済ませようとせずに、必ず面と向かって上司と話しましょう。直接は言いづらい、と思ってしまう人も少なくはないでしょうが、メールなどでは失礼だと感じる上司も多くいるため、対話することは大切であると言えます。
また、文字でのやり取りだけでは細かいニュアンスが伝わりにくかったり、自分の意思がうまく伝わらなかったりすることがあります。意図が捻じれて伝わってしまうこともありますから、実際に面と向かって話し合うことが一番誤解を生まない方法でしょう。
電話でも良いだろう、と考える人もいるでしょうが、電話で話すのであれば会って話す方が手っ取り早いと上司に思われてしまう可能性が高いため、その場合は結局呼び出されることになるでしょう。
退職の相談は上司が忙しそうな時間は避けて相談するべき
上司が忙しいだろう、と予想できる時間はゆっくり相談することができません。ですから、アポをとる時はそういった時間は避けましょう。特に、業務時間内は避けるべきです。業務時間中は何かと忙しく、上司は仕事に追われています。そのため、退職の相談のような個人的な話にまで時間を割いている余裕がない可能性があります。
最も良いのは就業時間後です。お互いにたっぷりと時間を使って話し合うことができるからです。ただし、どうしても上司が終業時間後に捕まらない、という場合は就業時間中の忙しくないと思われる時を狙ってアポをとってみるように試みてください。
こちらとしては腰を据えて話をしたいので、できるだけ時間は上司に合わせましょう。上司が一番ゆっくり話を聞く態勢が整ったというタイミングで話を聞いてもらうのが理想的です。慌ただしい時に相談しても、後回しにされて忘れられてしまう可能性があります。
軽い言い方で退職を相談をするのは絶対にやめよう
本気で退職の意思が固まっているのであれば、決して軽い言い方で相談をしてはいけません。最近会社を辞めようと思っているんですよね、などというように言ってしまうと、単なる愚痴か冗談にしか受け取ってもらえません。
仕事がつらいのかな、くらいには思ってもらえるかもしれませんが、本当に退職したいと考えているとまでは思ってもらえないでしょう。ですから、退職の相談をするのであれば必ず真剣に話をしましょう。軽い言い方をすると、上司に取り合ってもらえません。
飲みの席で退職の相談をするのはタブー
これも同様のことですが、飲み会などで退職の相談をするのも意味がありません。酔った勢いで会社を辞めたいと騒いでいる、としか思ってもらえないからです。加えて、飲みの席では上司もお酒が入っています。正常な判断ができる状態ではありませんし、翌日に記憶がはっきり残っている保証もありません。
こういったことから、飲みの席での退職の相談は意味がないと考えるべきでしょう。飲みの席ではお互いも周囲も冷静ではありません。そこで取り決めたことが実際に決定するわけではないですし、退職の相談をすることは無意味であると言えます。
退職の相談をする時は切り出し方に気をつける
退職の相談をする時、どのような切り出し方をするかということには充分に気をつけなくてはなりません。いきなり「退職したいのですが」と言い出してしまうと、自己中心的な言い方になってしまいますし、何か会社に不満があって退職したいと考えているのかと思われてしまいます。
ですから、先に理由を述べましょう。あくまでも個人的に、確固たる理由があって退職したいのだということを上司にわかってもらうことが大切です。自分としてはこういった理由があるため、残念ではあるけれど今の職場を退職したいと考えている、と伝えれば良いでしょう。
退職の相談をする時は声のトーンに気をつけよう
退職の相談をする時に気をつけたいことのひとつに、声のトーンが挙げられます。声のトーンが軽いものであったり、テンションがいつもよりも高かったりすると、本気で退職の相談をしているのかどうか疑われてしまうからです。
声のトーンやテンションはいつもよりも幾分落ち着かせて、こちらが真剣に退職を考えているのだということをアピールしましょう。上司に気持ちが伝わらないと、ただ単に無駄に時間を使わせてしまっているだけの失礼な部下であるという認識で終わってしまいます。きちんと退職の相談をしているのだということをわかってもらいましょう。
円満に退職することを意識して相談するようにしよう
最も理想的なのは、円満に退職することです。何のトラブルもなく、遺恨も残さずに退職することができればそれが一番良いと言えます。そのためには、やはり退職の相談をする時点で上司といざこざがないようにしておく必要があります。
上司ともめたり、なかなか意思疎通がとれなかったりすると、円満に退職することは難しくなってしまいます。自分は退職をしたいのだということを上司にわかってもらうことが相談の肝なのですが、話をすり替えられたりすることもあります。はぐらかされたと気づいた時には、やんわりと軌道修正して退職の意を伝え直しましょう。
上司を納得させられるような退職の理由をあらかじめ考えておく
退職の相談をしても、上司がそれに納得してくれないという可能性もあります。そういったことに備えて、あらかじめ上司を納得させられるような退職の理由を考えておきましょう。もちろんそれぞれ退職の理由はあるでしょうが、本当の理由とは別に、上司が納得してくれるような理由を用意しておくのです。
やりたいことが別に見つかったから、とか、キャリアアップをしたいから、とか、転職のための理由でも良いでしょう。ただ単に、何となく退職したいという理由では上司は納得してくれません。
ましてや、今の職場に不満があるからという理由は決して口にしてはいけません。仮にそうだったとしても、それは言わないのがマナーです。その発言がもし職場に広まってしまったら、不和を引き起こしかねません。絶対に口に出さないようにしましょう。
上司に引きとめられても必ず拒否しよう
退職の相談をした時に、上司は必ずと言って良いほど会社への引きとめをしてくるでしょう。ですが、どうしても自分は退職したいのだという強い意志を貫いてください。今の会社を退職してからのことを考えているところなのに、ここで引きとめられてしまうと全てが台無しになってしまいます。
無理に引きとめられたからといって、渋々会社に残って、やはり辞めれば良かったと思っても、もう一度退職したいと言うのはなかなか勇気がいります。それに、次も確実に引きとめられるでしょうから、堂々巡りになることは間違いありません。
そのようなループに陥ることがないようにするためにも、引きとめは必ず拒否するべきです。上司の一存で待遇が変わることなどはありませんし、会社に残っても良いことばかりが待っているというわけではないということを覚えておく必要があります。
退職の相談では意思を固めていることをアピールすることが大事
退職の相談をするとはいえ、それは本当に「相談」をするということではありません。退職しようか迷っているんです、という相談をするわけではないので、退職をしますという言い切りの形をしなければなりません。
ですから、退職を考えているということを絶対に曲げないようにしましょう。上司に退職をするかどうかの相談を持ち掛けているわけではないので、そこをはき違えてしまうと引きとめにあってしまいます。
退職の相談での強硬姿勢はNG
退職の相談では絶対に退職をするという意思を伝えるべきですが、あまりにもその言い方が不躾だったり、強すぎたりするのは上司に不快感を与えてしまいます。上司から反感を買わないようにするためにも、退職の意思はしっかりと、けれど押し出しすぎないようにアピールしましょう。
転職先のことを聞かれても答える必要はない
退職の相談をした時点で既に転職先が決まっていた場合、上司にそれを聞かれても特に答える必要はありません。どういった職種、業界なのかといったことを答えることに抵抗がなければ問題はないでしょうが、具体的な企業名まで詳しく答える義務はないので、しつこく詮索されても上手くかわすようにしましょう。
退職の相談は同僚にしないほうがベター
退職の相談は、会社内の誰よりも先に直属の上司にしましょう。もし先に同僚に相談してしまうと、社内に噂が広まってしまい居心地が悪くなってしまう可能性があります。本当に退職の意思が固まったら、同僚に相談することはせずに、直属の上司にすぐに相談するようにしましょう。
退職の意思が固まっている場合に同僚に相談しても意味はありませんし、なるべく早く行動した方が良いため、上司に相談して次のステップに進んだ方が良いと言えます。
退職届を提出するタイミングを考えよう
退職届を提出する時期にも注意が必要です。退職届が受理されてから退職するまでには、2週間がかかります。ですから、実際に退職したいと考えている日の2週間前までには退職を申し出なければいけません。
退職の相談をする時には、そういった具体的な日付についても念入りに話し合っておくことが重要です。
引継ぎなどがある場合はそれも処理しなければなりませんから、退職を決めてからはなるべく早めに行動しなくてはいけません。退職届を提出した後にも様々な手続きがあるので、慌ただしくなることは覚悟しておくべきでしょう。
なお、社内規定がある場合は退職届の効力が従来通りではない可能性もありますから、退職の相談をした際に上司に聞いておくか、個人的に確認しておく必要があります。
相談でつまずかない!退職は自分のこれからを決める大事な一歩
退職を決めた時に、それを相談する段階で絶対につまずきたくないと考えるのは誰しも同じことです。退職について相談する時には、できるだけトラブルがないようにして、円満に会社を去ることが望ましいでしょう。そのためにも、相談する時に何を言えば相手が納得してくれるかを考えて話をしたいところです。