歓送迎会の司会がやるべき準備と当日の流れ
歓送迎会の季節が近づくと、初めて司会を任される事もあるかもしれません。そういった時に司会をスムーズに行う事ができるでしょうか。歓送迎会の場において、司会というポジションはとても重要です。司会の進行がつっかえつっかえでは、せっかくの場も白けてしまいますよね。
ここでは、まず歓送迎会の司会者が行う準備や当日の大まかな流れについてご紹介します。
歓送迎会の司会がする準備は?
歓送迎会の司会として選ばれた場合は、入念な準備が必要となります。まずは、参加者のスケジュールの把握から始めましょう。特に主賓となる人達のスケジュールは必ず押さえてください。新人社員や退職者、異動する社員達のスケジュールを確認した後、重役達のスケジュールの確認をとります。
歓送迎会の司会に選ばれた人がやる準備には、具体的にどのような事があるのかを見てみましょう。
日程を確認してスケジュールを組む
退職日や異動日、入社日、着任日が重なる場合は、退職者の日程を優先するべきです。特に定年退職者がいる場合は、その人のスケジュールを最も優先してください。
融通の利くお店を利用する
日程が決まったら、次に場所を決めます。基本的には融通の利く馴染みの店を利用しましょう。初めてのお店だと、勝手がわからずにもたついてしまう可能性があります。それに、よく知っているお店であれば、歓送迎会である事を配慮して、何かと気を遣ってくれる事が多くあります。
お店側にはあらかじめ人数を伝え、プランを交渉し、会費を決定する時に万一に備えてキャンセル料についても聞いておくと良いでしょう。お店に歓送迎会である事を伝えて、場の雰囲気や席順などを相談しておく事も大切です。なお、責任者の了解を得られる場所を選んでください。飲食店や立食式など、形式は様々です。
案内状作りという役目を担う事もある
歓送迎会の司会には、案内状作りという役目が回ってくる事もあります。歓送迎会の案内状をそれぞれに送る時には、出席や欠席を尋ねたり、主催者や日時、場所などを知らせるためになるべく早く送りましょう。
当事者には招待状という形で用意します。参加者にだけ費用を知らせ、当事者には知らせないように気を付けてください。退職、転任する人や、新任者の名前がはっきりとわかるようにしてください。また、出欠の確認がきちんととれるように、必ず返信、返答をするように伝える事が大切です。
記念品やお花をあらかじめ準備しておく
式の中では、記念品やお花を贈呈する事があります。これは、あらかじめ他の人に購入しておいてもらうなどしても良いでしょう。自分だけで全てやろうとせずに、他の人にも手伝ってもらってください。
ただし、誰に何の役割を振り分けたのかをリストアップしてわかりやすくしておきましょう。常に確認と連絡を怠らないようにしてください。
挨拶は事前にお願いしておく
全体のプログラム、シナリオを作ります。歓送迎会の進行の詳しい流れを決めましょう。まずは、誰が挨拶をするかです。主役を迎える部署の上司が歓迎の挨拶を、主役を送る部署の上司が送別の挨拶を述べる事になります。これは事前に挨拶をしてもらうようにお願いしておきましょう。
新入社員、退職または異動する人達にも、あらかじめ自己紹介などを言ってもらうようにお願いしておくと良いでしょう。誰かに何かをお願いする時は、最初にお伺いを立ててから了承を得て、その上で依頼をしましょう。
司会者は早めに会場入りする
場合によっては、歓送迎会の会場に掲示するための式次第が必要になる事もあります。準備するべきかどうか確認しておきましょう。
また、音響機材などの周辺機材のセッティングも忘れずにしてください。そのため、当日は他の出席者よりも一時間程早く会場に到着しておくのが望ましいと言えます。会場の最終的な確認をして、集金をする場合はその段取りがスムーズにできるようにしておきましょう。
司会者がたたきこんでおく歓送迎会の流れを確認しよう
続いては歓送迎会の流れについてご紹介します。主に挨拶の順番などに気を付けてください。
開会の言葉
司会者が告げるものであり、新任者と転出者の紹介
最初の挨拶
代表者による職場への歓迎の挨拶と、送別の挨拶
乾杯
職場で二番目に地位が高い人の音頭により、乾杯をする
会食、歓談
知り合いの少ない新任者が場に馴染めるように気を遣う
新任者の挨拶
これから付き合いの長くなるであろう新任者を立てて、転出者よりも先に挨拶をしてもらう
花束や記念品の贈呈
新任者にお祝いと歓迎の花束を、転出者に感謝の記念品を贈る
転任者の挨拶
最後に転任者から挨拶をしてもらう
締めの挨拶と手締め
代表者、あるいは二番目に地位が高い人による挨拶
閉会の言葉
司会者が告げ、挨拶で結ぶ
お開き、二次会の案内
二次会の予定がある場合は参加者を誘導する
歓送迎会で司会を進行する台本の例文
実際に歓送迎会で司会をする時に、どのように進行していけば良いのでしょうか。式をスムーズに進めるためにも、あらかじめ台本を作っておく必要があります。ここでは、その文例を順を追ってご紹介します。
まずは司会者による開会宣言です。
『皆様、本日はお集まりいただきましてありがとうございます。ただいまから、○○さんの歓迎会および、△△さんの送別会を行います。』
新任者と転任者の紹介は必ずしましょう。あまり長くなり過ぎないように気を付けてください。
次に、職場の代表者による最初の挨拶です。
『まずは□□部長より、ご挨拶をいただきたいと思います。□□部長、よろしくお願いいたします。』
そして、乾杯を行います。
『それでは乾杯の音頭を××課長にお願いしたいと思います。皆様グラスのご用意をお願いいたします。』
最初の挨拶の流れのまま、同じ人に音頭をお願いしても良いでしょう。
ここで会食・歓談が入ります。余興を挟む場合もあります。
『では皆様、しばしご歓談ください。この後、新任の方と転任の方からご挨拶をいただきます。』
会食の後は新任者の挨拶です。新入社員の場合は、以下のように述べます。
『お待たせいたしました。それでは、新しくお迎えする方からご挨拶をいただきます。新しく入社された○○さんです。お願いします。』
次に花束や記念品の贈呈を行います。
『ここで、新任の方への花束の贈呈をさせていただきたいと思います。その後、転任の方への贈呈式がございますので、お待ちください。』
贈呈が終わり次第、転任者の挨拶に移ります。
『転出される方からご挨拶をいただきたいと思います。△△さんには感謝の念が尽きません。これからのますますのご活躍をお祈り申し上げます。それでは△△さん、お願いいたします。』
締めの挨拶と手締めは、二番目に地位が高い人にお願いしましょう。
『宴もたけなわではございますが、お時間となりました。最後に××課長より、締めのご挨拶と手締めの音頭をお願いいたします。』
最後に司会者より、閉会の言葉です。二次会のお知らせを忘れずにしてください。
『本日の歓送迎会はこれにてお開きと致します。皆様お疲れさまでした。誠にありがとうございました。なお、二次会にご参加いただける方は、幹事にご連絡くださいますようお願いいたします。』
歓送迎会の司会の台本作りと実際に司会進行する際の注意点
ここからは、歓送迎会の司会の台本を作る時と、実際に司会進行する時の注意点をそれぞれ挙げてみます。それそれ気をつけるべき事をしっかり頭に入れながら、スムーズに司会ができるように心がけましょう。
歓送迎会の司会の台本作りのポイントは簡素化しすぎないこと
歓送迎会の司会をする時、台本を作らなくてはならないとなると身構えてしまうかもしれません。しかし、台本はほぼ定型文があるので、おおむねそれに従えば大きな失敗をする事はないので気負う必要はないでしょう。
しかし、気持ちを込めるために自分でアレンジを加えるのはとても素晴らしい事であると言えます。ぜひ同僚や上司の方々にも相談して、台本作りに反映させてみてください。くれぐれも味気なく簡素なものにならないように注意したいところです。
挨拶の順番は「歓迎」と「送迎」のバランスに気をつける
挨拶の順番では、「歓迎」と「送迎」とバランスが大切である事を忘れないようにしましょう。
歓送迎会は、ただ親睦を深めるための飲み会の場ではありません。現時点で知り合いが多く、今後の付き合いが減ってしまう異動者や退職者よりも、現時点で知り合いが少なく、今後の付き合いが増えるであろう新任者の挨拶を先にした方が自然とされています。挨拶する人の順番に注意しながら台本を作ってみてください。
歓送迎会で司会進行する時のポイントはざわつきに動揺しないこと
司会の開会宣言までは、会場は非常にざわついています。ここで怯まずに、大きな声で開会宣言をして歓送迎会を始めてください。途中で歓談などが挟まり、出席者にアルコールが入ってくると場は一層盛り上がりを見せます。そうなると会場は更にざわついてしまいます。
しかし、新任者や転任者からの挨拶がある事を宣言して場の注目を集めた上で、一呼吸置いてから、挨拶をする人の紹介をしましょう。会場のざわつきに動揺せずに進めてください。
また、事前の準備とは違ったアクシデントが起こった時は必ず自分一人で解決しようとせず、上司など目上の立場の人に指示を仰ぐようにしてください。
挨拶の順番は役職が上の人から始める
挨拶の順番は、役職の上の人からお願いしましょう。もし役職が同じ人が複数名いる場合は、年齢が上の人から順に挨拶をしてもらうようにお願いしてください。
歓送迎会を長引かずすっきりと進めるためには、何時何分から、何分前から、といったふうに、細かく時間を分けて会場の人達に伝える事が効果的です。
歓送迎会の司会は準備を抜かりなくしよう
歓送迎会はせっかく開くものですから、主催する側も送られる側、歓迎される側共に気持ちよく過ごせるようにしたいものです。そのためには、歓送迎会の司会に選ばれた人による抜かりのない準備が大切です。
司会の役目はその中でもとても重要なものであると言えます。場が滞りなく進むかどうか、司会が達者であれば、歓送迎会の雰囲気もより一層良いものとなるでしょう。今回紹介した司会をする際の注意点や台本作りのポイントを参考にして、ぜひ素敵な歓送迎会を開いてください。