新入社員の心得は新入社員らしくすること
今年度から新しく新入社員になったという人も、ある程度職場で働くということに慣れ始めていくものですが、1年目は常に「新入社員」として見られますし、新入社員らしい心得・心構えを持っておきたいものです。
どんなに慣れていても、どんなに有能でも、逆にイマイチであったとしても、新入社員らしい心得が無いと、新入社員は困った意味で注目されてしまいますので注意が必要ですが、新入社員らしい振る舞いができることで周囲にも可愛がられ、仕事もしやすくなるでしょう。
上司や先輩にも良く見せ、実際に社会人として成長できるように新入社員としての心得を確認してみましょう。
知っているようで知らない新入社員の特殊性
新入社員は職場に入ってきたばかりで、右も左もわからないという存在ですが、その新入社員だからこそ周囲からは常に注目を集めています。
本人たちはまだまだ業務には貢献できず、仕事らしい仕事もできないために注目されているとは思っていないものですが、先輩たちにとっては可愛い後輩であり、また将来は自分の部署に入ってくるかもしれない人員ですから、どういう人がいるのかが気になるのは当然のことです。
新入社員にありがちな様々な失敗も愛嬌で、この時期の先輩社員たちにとってはちょっとした楽しみでもあります。一方で大失敗をしでかしてしまわないように注意しなくてはならない存在としても注目を集めています。
新入社員は自分のことで手一杯になりがちですが、周囲からそのような目で見られていることを自覚しておくと、振る舞いなどにも気を付けるようになるでしょう。
新入社員が心得ておきたいこと
入社一年目の新入社員が、いきなり仕事で活躍するのは難しいと心得ましょう。新入社員としてこれだけは心得ておきたいことを5つ紹介します。
1.新入社員は会社に養われている身である
新入社員とは言え、決まった時間会社に出社して、その働きによってお給料をもらっている身です。しかしながら、会社に入ったばかりの新入社員は、そのお給料に見合った売上への貢献をすることはほぼありません。
一般的には、給料だけでなく、様々な福利厚生や設備、教育や研修などを合計すると、1人を雇用するために必要なコストは正社員であれば給料の2~3倍はかかっています。それだけの売上を上げることができないうちはまだまだ半人前であり、会社に養われている身なのだと心得ましょう。
間違っても「給料が安い」「残業がきつい」「会社に将来性がない」などと、会社員らしいグチを口にしてはいけません。成長を期待して大変な中でも養ってくれている会社や、その分の負担を背負ってくれている先輩社員たちに大変失礼です。
2.「報・連・相」こそが仕事である
社会人になると、「報・連・相」を徹底的に叩き込まれます。特に新入社員の時期は何事にもこの「ホウレンソウ」が求められるので、ウンザリしてしまうという人もいるでしょう。しかし、「報告・連絡・相談」は仕事の基本であり、新入社員の場合は特に仕事を覚えることこそが仕事になりますし、お手伝いひとつにしても何をどのようにしたのかをしっかり確認してもらうことが大切です。
面倒に思ったり、周囲がそのようには仕事していないように見えて「どうして自分だけ」と思ったりすることもあるでしょうが、どこまでの「報・連・相」が必要なのかは個人によって違うものです。まずは報・連・相が自分の仕事と考えて一生懸命頑張りましょう。それがしっかりできる人に次の仕事が与えられると心得てください。
3.自分の価値観で物事を判断しない
新入社員の失敗で多いのが、「自分の価値観」を大事にすることで周囲の反感を買うケースです。「自分はそうは思わない」のは勝手ですが、だからと言ってそれを理由に求められている仕事を行わないことはよくありません。
社員の役割として、その組織のために最善を尽くすことや、組織として判断・決定したことが上手く進むように働くことが求められます。自分の価値観を押し通すのではなく、会社としての価値観を理解し、少なくとも業務時間中は企業の価値観に沿って物事を判断し、行動するようにしてください。
4.ビジネスマナーは早く身に着ける
新入社員の中にはまだまだビジネスマナーが充分に身についていない人もいますが、その状態では社内の様々な活動はもちろん、客先に出すことはできません。
「ビジネスマナーの様々な作法が何の役に立つのかわからない」と思うことはあっても、そういったマナーがあることによって様々な場が円滑に進んでいるのです。愛嬌やフレンドリーな性質だけでは付き合うことができない相手もいることを理解するのも新入社員の心得の一つです。
ひとつひとつの作法の奥に見える社会人としての相手への配慮の心を早く身に付けることが大切です。ビジネスマナーの意図がわかり、自然とそうした振る舞いができるようになってこそ安心です。
5.素直になる
新入社員の心得として一番大事なことは「素直である」ことです。これはどんな業界のどんな職種でも同じです。新入社員はまだまだ右も左もわからないですが、多くの先輩社員たちが関心を持ってくれて、一人前の社会人になれるように、また会社の戦力になれるようにと多くのアドバイスをしてくれます。
時には自分の意に合わない言葉もあるでしょうし、叱責を受けることもあるかもしれませんが、どんなアドバイスも素直にまずは聞き入れて、自分の能力を高め、自分に変化をもたらすことが大切です。
自分の能力や個性を発揮したいと思うあまり、周囲の声に耳を傾けなかったり、独自路線を行こうとしたりする人もいますが、溶け込むという点でも、成長するという点でも、素直な人には及びません。
新入社員としての職場での心構え
仕事で活躍できなくても新入社員としてすべきことがあります。業界を問わず、新入社員が職場で持っておくべき生活上の心構えも確認しましょう。
時間を守る
社会人は時間厳守が基本です。しっかり時間は守るようにしましょう。加えて、新入社員の場合には、ひとつひとつの仕事や会議などのために準備をすることが大切です。意識があちこちに飛んでしまわないように、時間より何事も早めに動き、準備してひとつひとつの事に臨みましょう。
身だしなみは清潔にする
新入社員の身だしなみは、奇抜なものは避け、清潔感を大事にしてください。就職活動の時ほどカッチリする必要はありませんが、崩して着たり、また急に派手になったりするのは印象が良くありません。誰にとっても印象が良いのはやはり清潔感のある爽やかな服装や髪型ですし、服装や髪型は新入社員のひとつのアイコン(記号)ですから、新入社員として可愛がられる上でも大切です。
挨拶はしっかりする
新入社員は何を置いても挨拶はしっかりしましょう。上司が挨拶をしても、反応が無かったり、小さい声で挨拶を返したりするようではいけません。仕事に集中することも大事ですが、挨拶をすることによって互いの間にコミュニケーションが発生しやすくなります。自己紹介のときだけでなく、仕事中でも挨拶をしっかりする意識を持ちましょう。
わからないことは「わからない」と言う
新入社員が仕事を覚えていく上で一番良くないのが「知ったかぶり」です。わからないことは「わからない」と言ってくれないと、教える側も教えてあげることができません。知らないことを放置しておいたり、我流で勉強して、いざという時に失敗してしまったりすることは意外と多いのです。
「聞くは一時の恥、知らぬは一生の恥」です。「何がわからないかわからない」時はどうしようもありませんが、自分の理解が追いついていない場合は遠慮せずに周囲に尋ねましょう。「習ってないからできない」ではなく、「習ってないなら習う」のが社会人のあり方です。
雑用は進んで引き受ける
新入社員の間は、直接的に売上や企業の利益に貢献できることは非常に少ないものです。しかし、新入社員が会社に直接的に貢献できる一番の仕事は、周囲の人の雑用の手伝いです。一人前になった社員たちは、様々な仕事を通して会社に貢献していますが、誰でもできるような雑用の時間を、利益を出せる仕事に当てられればもっと会社の利益になります。新入社員の間は進んで雑用を引き受けていると仕事や先輩社員、社内ルールなどを覚えられ、利益にも貢献できるなどメリットが多いのです。
新入社員であることは恥ずかしくない
新入社員という立場は「一人前の社会人」という感じがしないことから、早く抜け出したいと思う人も多いのですが、新入社員でいられる期間というのはわずか1年だけです。その1年の間は、非常に注目もされますし、多くのことを指導してもらえるありがたい期間でもあります。
恥ずかしがって無理に背伸びをするよりも、その1年間の新入社員という立場をフルに利用して、自分の成長や社内での居場所を作るために頑張ってみてください。新入社員という立場が無くなってから「もっとああしておけばよかった」と後悔することは意外に多いのです。
心得があれば新入社員の時期を楽しめる
新入社員として扱ってもらえる期間は長くはなく、その間に多くのことを吸収することがその後の社会人生活を大きく左右していくことになります。社会人生活の基盤を作る時期が新入社員の時期なのです。
新入社員としての心得をしっかり持って、この時期にしかできないことを頑張ってください。新入社員であることをネガティブに考えず、新入社員として社会人生活をまず楽しむことが大切です。そういった姿勢が大きな成長につながるはずです。