誤字脱字がないのは最低限のビジネスマナー
メールのやりとりや書類作成などにおいて、誤字脱字を避けることは最低限のビジネスマナーです。とはいえ、誤字脱字はどんなにビジネスマナーを守れている人だとしても、なかなかゼロにはできないものです。
しかし、正しいチェックや校正の方法を知っていれば、誤字脱字をゼロに近づけることは可能です。タイピングミスや書き間違いによる誤字脱字をなくすための方法について考えてみましょう。
誤字脱字の定義
「誤字脱字」は文字の誤り、文の途中で抜けた文字の総称です。読んで字のごとく、誤字は字の間違い、脱字は書き落とした文字、抜けている文字を意味します。
仕事で作成する文書やメールの中に間違いや抜けた文字があると、相手に伝わるべき意味に違いが出てくる恐れがあります。また、就活生の場合は履歴書やESなどの応募書類を作成しますが、このときに誤字脱字が見つかった場合、採用担当者に良い印象を与えられないのは確実です。
誤字脱字がもたらす悪影響
情報化社会が進展するにつれて、誤字脱字による悪影響はますます大きくなっています。
人間はある程度の誤字脱字に対して、脳の働きによって補足や修正ができます。過去のやりとりや文脈などから正しい内容を推測することは可能ですが、それでも余計な時間を消費することには変わりありません。誤字や脱字が多かったり紛らわしいものがあれば、さらに余計な時間を費やすことになります。
従来はこういった作業の処理の問題や、また人名や社名などを間違ってしまうことによって相手に失礼になるということ、また学が足りないと思われ印象を悪くすることが主なデメリットでしたが、最近ではより重大な影響をもたらすのはコンピュータです。
現在、様々な文書のやり取りが行われ、データ化された文書があちらこちらで活用されていますが、コンピュータは文の意味などを解釈してはくれません。
数々の文書の中から検索をする際に、誤字脱字によって正しく検索されなかったり、また間違った文書が拡散されて共有されるなどの悪影響を及ぼします。
数字の桁が一つ抜けているだけでも大きな問題となり、様々なところにその影響が波及して計算が狂います。情報化社会だからこそ、誤字脱字には注意する必要があるのです。
誤字脱字のミスが多い人はこんな人
誤字脱字を出さないためには、チェックをするだけでなく出さないようにするのがベストです。疲れている時にはミスも出やすくなりますので、なるべく疲れた状態で文章を書かないようにスケジューリングを考えることが大切です。
また、せっかちな人は早く仕事を終わらせたいがためにチェックを適当にしてしまいますし、「自分は大丈夫」だと思っている自信のある人もチェックを怠りがちです。
周囲の手を借りるのも一案
誤字脱字は性格によって出やすい性格がありますので、自己分析して注意することも大切です。性格が大雑把で細かいチェックが苦手な人は、細かいチェックが得意な人に協力してもらいましょう。
誤字脱字は個人の問題ではありますが、普段から誤字脱字に注意する環境がなければ意識が低くとどまってしまい、安易に誤字脱字を許してしまいます。職場などでも、おせっかいに思えても互いに注意しあえる、注意に対して感謝できるような風土があるとミスは少なくなります。
基本的にチェックの層が多いほど誤字脱字などのミスは少なくなります。自分だけでは不安があるなら、機械や他の社員にも頼ってみることで、より効果的なチェックを行えます。
誤字脱字を減らすテクニック
誤字脱字を減らすためにはどのようにしたら良いか、雑誌や新聞などの執筆や校正などの技術から学んでみましょう。
1 間違えないように意識する
適当に文章を書く場合と、誤字や脱字に気を付けて書くのとでは違ってくるものです。今は自動入力が発達しており、パソコンなどでタイプして変換するとかなりの確率で期待する文字に変換されます。
しかし、それで良しとせずに、しっかり確認しながら書いていくことが大切です。特に脱字は意識していないと頻繁に生じますので注意しましょう。
2 確認は印刷して行う
できた文章を見直すということは多くの人が行っていますが、しっかりと文章をチェックする必要がある場合は、パソコンなどのモニター越しより、印刷した紙の方がはかどります。これは光の見え方の影響があり、紙の方が一文字一文字に意識を集中しやすいからです。
3 時間を置いてから確認する
点検作業をどんなに精密に行おうと思っても、頭の中には自分の書いた文章のひな型が残っているため、もしも誤字や脱字があったとしても、無意識のうちに脳内補完してしまって、間違いに気づかないことがしばしばあります。
自分で確認をする場合は、時間を置いてから確認するようにします。可能なら一晩寝かせて、翌日以降に確認すると良いでしょう。
4 複数人で点検する
出版社などでは執筆者や編集者だけでなく、校正専門の人がいたりします。もちろん、執筆する人も確認をしますし、編集にあたる人も目を通しますが、校正の人も目を通すなど複数人によるチェック体制が取られるのが普通です。
人は脳内で様々な情報を補ってしまいます。ある程度の内容が頭にある執筆者や編集者よりも、フレッシュな感覚で文章を見ることができる立場の人がいることは、チェックの精密性を高めるために有効です。
5 声に出してみる
音読というのは面倒なものではありますが、声に出して読んでみると不自然な表現や脱字についてはすぐに気づくことができます。
音が同じように読めるものについては誤字の発見ができないこともありますが、読むことによって意識して字を見ることになりますので、誤字脱字の発見精度が高まります。今はテキストを読み上げてくれるフリーソフトもたくさんありますので、うまく活用することでチェックもしやすくなるでしょう。
6 間違いやすい言葉をリストアップしておく
人の話し言葉や書き言葉には癖があるもので、誤字脱字についても同じところでミスすることが多いものです。間違いやすい文字や表現についてはリストアップしておいて、特に意識してチェックするようにしたり、文字入力ソフトの辞書機能を利用して確実な変換ができるように登録しておくなどの対策をすると良いでしょう。
一般的に、誤字脱字が生じやすいのは、タイピングミスが生じやすい漢字の送りがなや誤変換、かな文字(ひらがな、カタカナ)、英数字の桁です。
7 単位を変えて読む
人間は脳内で多くのことを補いながら文章を読めるという素晴らしい機能を持っています。しかし、文書をチェックする際には、この機能をなるべくシャットダウンして読むことが大事です。そのためには「単位を変える」ように読むのが大切です。
文単位で読まないように文節単位や単語単位で読んだり、また単語をチェックするなら単語単位で読まずに文字単位で見るようにしましょう。普段通りに読んでも、チェックの精度はあまり高くなりません。
8 文末から確認する
チェックをする方法のひとつに「文末から確認する」方法があります。文頭から読むとどうしても文や単語として頭の中に入ってきますので、あえて文末から読むことによって内容ではなく文字に意識が向くようにすることができます。
9 文書校正ソフトやサービスを利用する
自分では大丈夫だと思っていても、実は間違った用法などがある場合もあります。たとえば、漢字の送り仮名などは、意外に知っているようでも知らないものです。こういった不安がある場合は、文書校正ソフトやサービスを利用してみると良いでしょう。
Wordなどの一般的な文書作成ソフトには校正機能(スペルチェック機能)がついていますし、Web上にも文書校正を手伝ってくれる無料ツールやフリーソフトもあります。人間と違ってコンピュータは融通が利かない分、より確実なチェックを行ってくれます。
10 チェックのための時間を取る
誤字脱字のチェックは面倒に感じる人も多く、ついつい適当に行われがちですが、自分の書いた文章に責任を持つのであれば、チェックのための時間をしっかりキープしましょう。ただ時間をかけるだけでなく、書いたものには必ずミスがあると思って疑って見ることが大切です。
誤字脱字は知恵を使って防止しよう
誤字脱字を少なくすることは、情報化社会においてはとても大事なことですが、人間は完全ではありませんから、どうしてもミスが出てしまいます。
誤字脱字を減らすために、多くの人が様々な手法やツールを考えています。自分で気を付けることはもちろん、そういった知恵を活用しつつ減らすよう努力しましょう。