ネクタイの選び方をマスターしよう
スーツスタイルの社会人にとって、ネクタイはオシャレアイテムでもあり、またユニフォームとして自分の仕事に対する意欲を高めたりする大事なアイテムです。
しかし、それだけ重要なネクタイの選び方について十分に理解できていない人も少なくありません。正しいネクタイの選び方ができるようになるだけでも第一印象は変わり、その仕事の成否に大きな影響を与えることもあります。
場合によってはスーツよりも見られることの多いネクタイ。その日の気分で適当に選んでいたり、「昨日着けたものと違っていればいい」と考えてしまう人も多いですが、正しいネクタイの選び方をマスターして、身だしなみのレベルアップに役立てましょう。
ネクタイの選び方を5つのポイントごとにチェック!
ネクタイの選び方は特に決まってはいませんが、選ぶ視点やポイントとなる部分は確かにあり、それを知っているだけでも選ぶネクタイが変わってきます。多くの観点からネクタイ選びをすることができますが、何を中心にするのか、どこに重きを置いて探すかは自分次第です。
1 「色」によるネクタイ選び
色には様々な特徴があり、相手に与える印象も違います。「ネクタイ選びは色選び」と言われるほど個性が出るポイントです。好きな色を選んで構いませんが、TPOに合わせることと、同じ色のネクタイばかりにならないよう注意しましょう。
赤系統
赤は情熱の色として、意欲的、積極的、行動力があるなどのイメージを与えます。時には攻撃的なイメージも与えることがありますが、ビジネスシーンではエネルギッシュな印象を与えてくれる勝負カラーです。
青系統
青は知的で落ち着いたイメージを与える色で、赤系統の色と並ぶビジネスシーンのスタンダードカラーです。暗めのトーンの場合は冷たく見えることもあるため注意しましょう。
緑系統
自然を感じさせる色である緑系統の色は、相手をリラックスさせたり爽やかな印象、穏やかな印象を与える効果があります。ただし、ビジネスシーンにおいては色の選択が難しく、落ち着きのない印象になったり幼稚に見える場合もあります。
黄系統
黄色は元気な印象を与える色ですが、ユーモラスでまた幼い印象を感じさせる場合もあります。赤と比べると軽く見られることもありますので、全体的な雰囲気をよく考えて使いたい色です。
紫系統
紫系統の色は高貴で芸術性に富んだ印象を与えることのできる色です。そのため、高級な商品の販売をしている人などにおすすめの色です。トーンによっては主張が強くなりすぎる場合もあるので注意しましょう。
茶系統
茶系統の色は落ち着きや包容力、堅実さといったイメージを与えます。人によっては年寄り臭く見えてしまったりイメージとチグハグになる場合もあるため上級者向けのカラーと言えます。
その他の色
その他にもネクタイには様々な色がありますが、複数の色を織り交ぜていたり、またシャツやジェケットの色との相性によっても見え方は変わってきます。色の組み合わせはセンスも必要ですが、色々合わせてみて経験を積み重ねていくことで傾向がわかってきます。適当に選ばずしっかり合わせて考えるようにしましょう。
2 「柄」によるネクタイ選び
ネクタイ選びでは柄も重要なポイントです。そこまで大きく目立ちませんが、意外に印象を左右しているポイントです。シーンや組み合わせをよく考えて複数持っておくとよいでしょう。
無地
無地のネクタイは色の良さが最も出ます。それだけに色や素材の良さ、強さも出やすいので、TPOをよく考えて選ぶ必要があります。赤や紺、グレーなど合わせやすいカラーが一本ずつあるとコーディネートが楽になります。
ストライプ
ビジネスシーンの定番のひとつなのがストライプ柄のネクタイです。ストライプがどの方向に走っているかでまた種類が変わりますが、どのタイプでも「ストライプの幅が広いほどカジュアルになる」ことは覚えておきましょう。
ドット
誰からも愛されるドット柄のネクタイは爽やかな印象を与えます。ドットの大きさが大きいほどカジュアルな印象となります。ビジネスシーンではカジュアルになりすぎないよう、ドットの色が派手でなく、小さめのものを選びましょう。
チェック
チェック柄もビジネスシーンではよく見られるネクタイの柄です。どういったシーンにも合わせやすいという特徴がありますが、シャツやジャケットにも柄がある場合はうるさくなるため避けた方が良いでしょう。
小紋柄
小さくデザインされた紋章が規則的もしくは不規則に並んだものを小紋柄と言います。遠くからはドットのように見えますが、近くで見ると面白いデザインということも多く、カジュアルなものから重厚感を感じるものまで様々です。TPOに合わせて選べるのが強みです。
ペイズリー柄
ペイズリー柄と言われるのは、植物の葉や勾玉模様をあしらったデザインのものです。バンダナによく見られる柄ですが、最近ではトップスやパンツにも取り入れられています。
一見不思議な柄に見えますが、着用してみると高級感を感じさせる落ち着いた印象があります。社会人として落ち着いてくると、この柄のネクタイがしっくりくるようになります。
3 「幅」によるネクタイ選び
購入時、意外と見落としやすいポイントなのがネクタイの幅です。幅が合わないと何か違和感があって使いにくいと感じ、次第に身に着けなくなっていきます。ネクタイは幅から選ぶと選びやすく、失敗も少なくなります。
ネクタイのベストな幅はジャケットが決める
ネクタイの幅はほとんどのものが7~11cmほどで収まっています。その中でもスタンダードなものは9cm前後です。その理由は、綺麗に見えるネクタイの幅というのはジャケットの下襟(ラベル)の幅と同じくらいという法則があるためです。今は下襟が8cm程度の細目のものが多いために細いネクタイが好まれています。
ノージャケットならスタンダードな幅のネクタイが基本
基本的にはジャケットを着るのでノージャケットというシーンはあまり多くはありませんが、ノージャケットで綺麗に見えるのはスタンダードな幅のものです。後は、シャツの襟のデザインによって幅が広い方が良いのか、細い方が良いのかが多少変わる程度です。
4 「生地」によるネクタイ選び
ネクタイは生地にもこだわりがある人もいます。生地によってフォーマルかカジュアルかが違ってきますし、また季節感を演出してオシャレな印象を与えることもできます。
素材の質感が与える印象を大事にする
ビジネスシーンのネクタイはシルクのものが多いですが、光沢のあるものやマットなものが好まれます。カジュアルな場では起毛がある物や、麻、綿素材のものなども季節感を出すのに有効です。また、生地の厚みによって結んだあとのネクタイの印象も変わってきます。素材の質感や印象を大事にしましょう。
生地はジャケットとネクタイのトータルバランスで考える
光沢のある素材のジャケットの中に起毛があるネクタイをつけると明らかな違和感が生じます。ネクタイの生地は単体で何かを表現するものではなく、あくまでトータルコーディネートの中のひとつの要素であるという認識で考えましょう。
5 「予算」によるネクタイ選び
ネクタイ選びをする上で避けられないのが予算の問題です。ネクタイは極端に言えば百円均一でも購入することが可能です。しかし数万円のものもあります。TPOを考え、適切なものを選びましょう。
ネクタイは高ければ良いというものではない
ビジネスシーンでは相手の信用を得るということが最も大事なことになりますが、ビジネスマンは高すぎるネクタイは避けるべきです。標準的にはネクタイは一本数千円ですので、そのラインを基本とするべきでしょう。一目で高級ブランドとわかるネクタイをつけて営業に行くことが、時には相手にイヤな印象を与える場面もあることを覚えておきましょう。
あまりにも安いネクタイも失礼になる
一目見て明らかに安物とわかるペラペラのネクタイも、相手に対して不安を感じさせてしまいます。もちろん元が良いものを安く入手できた場合はその限りではありませんが、あまりにも安物で、間に合わせで準備したと思われるもので営業や面接などに行くのは失礼にあたるため気を付けましょう。許されるのは、学生や急な法事の場合くらいだと思ってください。
ネクタイは自分をより格好良く見せるものを選ぼう
ビジネスシーンにおけるネクタイの選び方と言うのは、単純にオシャレとしてだけでなく、相手のことまでも気遣ったり、目的や印象を考える必要があります。いわば、社会人としてのひとつのビジネススキルと言っても過言ではありません。実際、アメリカの大統領は重要な演説の際には白いシャツに無地の真っ赤なネクタイというのが伝統的に決まっていて「パワー・タイ」などと呼ばれることもあります。
お仕事を円滑に進め、オシャレにスーツスタイルを着こなして良い印象を作るためにも、また、自分の仕事に対するモチベーションアップのためにも、自分に合ったネクタイ選びをしてください。