会社を休むときの電話は「5W1H」が基本
会社を休むにはやむを得ない事情があるものですが、体調が悪くても、何か緊急の事情があったとしても、社会人としてはビジネスマナーにのっとって連絡をする必要があります。
会社を休むときの欠勤連絡は電話が基本となりますが、その中でも抑えるべきポイントがあります。どういった点に注意して連絡するべきなのか、5W1Hの観点から紹介します。
「How」:会社を休むときはどのような方法で連絡するべきか?
まず、最初に確認しておきたいのは、欠勤の際の連絡方法です。最近の欠勤をめぐるトラブルの中でも多く見られるのが、欠勤の際の連絡方法です。
会社を休むときは電話連絡が基本
社会人のビジネスマナーとしては、欠勤の連絡の基本は「電話連絡」です。メールやSNS、グループウェアなど、様々な連絡方法がありますが、どんな企業だとしても欠勤連絡の基本は電話です。
企業によっては他の連絡方法によって欠勤連絡をすることがルール化されていたり、許可されているケースもありますが、あくまで一般的には電話だと覚えておいてください。もちろん、許可されているケースではその会社のルールにのっとって連絡してもらって構いません。
電話だと必要なことがその場で確認できる
電話が基本となる理由は、連絡にかかる時間が少ないこと、そして電話の中で必要なことについての確認が行えるからです。メールやSNSなどの方法では、連絡が一方的になってしまったり、必要な業務の調整や引き継ぎ事項などに漏れが生じやすくなります。
電話だと声で体調の悪さを分かってもらえる
電話が良いとされるのは、声の調子や話し方などから体調を推し量ることもできることにあります。もちろん、仮病であればバレてしまうこともありますが、よほどのことが無ければそれを指摘するようなこともありません。当然、不適切な理由だと思われれば欠勤が許されず、出社を命じられることもあります。
「When」:会社を休むときは始業前に電話をする
欠勤の連絡のタイミングは、勤務開始時間の10~15分前には行うようにしてください。さすがに1時間前は誰も出社していない可能性がありますが、10分前には出社している人も多いはずです。
勤務時間に入ってしまえば、会議や取引先の対応があり、すぐに確認することができない場合があります。また、業務の引き継ぎや調整が必要になった場合、メンバーがそれぞれ動き出してからでは、調整が難航し、忙しい上司の仕事をさらに増やし煩雑にしてしまいます。
勤務時間に入ってからの欠勤連絡は、社会人としてマナー違反となりますし、遅刻を休みに変更したと疑われる事もありますので避けるべきです。
「Who」:会社を休むときの電話は誰に伝える?
欠勤の連絡は、基本的には直属の上司に連絡します。会社に直接連絡して取り次いでもらうか、もしくは、上司の携帯電話に直接連絡するようにしましょう。
会社を休むときに電話する上司はあらかじめ確認しておく
ここで気をつけたいのが、会社規模や組織形態によって、どの上司に連絡するべきかは異なってくるということです。ある会社では課長に連絡するように決まっていたり、ある会社では係長でも良い、ある会社では部長に連絡など、どのレベルの上司に連絡するべきか指定がある場合があります。
もしも直属の上司に連絡がつかなかった場合、同様にマネジメントしている他部署の役職者や、直属のさらに上の上司に伝えることでも大丈夫な場合もあります。時には、先輩社員などに連絡しておき、後から再度上司に連絡することでも大丈夫なこともあります。
企業のルールや風土によって違いはありますが、基本は直属の上司で、難しい場合は自分の業務に関わりのある人に連絡しておき、後から再度連絡すると認識しておきましょう。
電話する上司は自分の業務内容を理解している上司
直属の上司に連絡する理由は、その上司があなたの管理責任を負い、また必要に応じて仕事の調整や穴埋めをするためです。同僚や後輩は欠勤について周囲に報告はできても、あなたの業務を理解し、必要な調整を行うことはできません。
逆に言えば、そのようなことができる立場の上司に連絡をすることが基本となります。役職が上だとしても、他部署の役職者に連絡するのは迷惑になることもありますので控えましょう。
「why」:会社を休む理由は必ず伝えること
欠勤の際には、「体調不良のため」、「身内の法事が入り」など、欠勤の際の理由は必ず伝えるようにしてください。
上司はあなたを心配している
上司はあなたのことを心配していますし、またその様子によって必要とされる仕事のコントロールをしなくてはなりません。「知られたくない」「心配をかけたくない」という理由で、自分の症状や状態を知らせないことは同じ部署で働いている者として無責任であり、社会人としての資質を問われることとなってしまいます。
「会社を休みます」と電話した後の経過連絡も大切
なぜ欠勤するのかということについて、欠勤連絡をすることは当然として、必ずその後の経過についても連絡をするようにしてください。
たとえば、38.5℃の熱が出たために休んでいるとします。その際には、発熱したことを伝えた上で欠勤する旨を伝えますが、その後病院に行った際にインフルエンザと判明したなど、状況に変化があった場合は適時知らせるようにしてください。
報告内容によって、上司はその日だけ業務の調整が必要なのか、その後数日にわたって必要となるのかを検討することができるようになります。そして、正確な状態がわかることで安心もします。
上司は部下の健康管理も仕事のひとつです。あなたが無理に出勤しようとしているなら、「あの件は調整ができるから、明日いっぱいはゆっくり休みなさい」と指示が出る場合もあります。
「where」「what」:会社を休む特殊な事情は忘れがちなので注意
そして、忘れがちなのが「どこで」「何を」という部分です。不要なことも多いですが、必要に応じてきちんと連絡をする必要があります。
たとえば、旅行先で交通事故に遭い、そのために病院に運ばれているとします。その場合は、「現在どこにいるのか」ということを連絡する必要があります。場合によっては治ってもすぐに出社できないこともあり、その場合は上司や同僚に迷惑をかけるからです。
また、取引先とのアポイントメントがある場合、自分が特にその中心になっている場合は先方とのアポイントメントだけは出ざるを得ないこともあるでしょう。
また、午前中の会議だけは通院のために休むということもあります。そういう場合は「何を休むのか」を必ず連絡します。不要な欠勤をしたり、また周囲を混乱させるような出勤・欠勤の仕方は避けてください。こういった特殊な事情はついつい連絡を忘れてしまいがちですので注意が必要です。
「会社を休みます」の電話連絡は忘れてはいけない
学生の頃は体調不良などの理由で学校を休む場合、休むことによるデメリットは自分が受けることになります。しかし、社会人になれば、自分が休むことでデメリットを受けるのは会社であり、また同じ部署の上司や同僚となります。
自分は休んだとしても、会社は休んでいません。ですから、自分の任された仕事がきちんと遂行されるように、必要な連絡を必要な人にするということがマナーとなります。
上司に欠勤の連絡をするだけではなく、引き継ぎをお願いしたい人には必要なことについて連絡をし、取引先にも必要とあらば連絡を入れることが大切です。そのようにすることが社会人としての当然のマナーです。
会社を休むときの連絡の例
電話連絡の例
おはようございます。●●部の△△です。
■■部長はいらっしゃいますでしょうか?
(電話変わる)
おはようございます。△△です。
ご多用のところ申し訳ございません。
昨晩から風邪気味で、夜間にかけて38.8度の熱が出てしまいました。今は薬を飲んで多少下がっておりますが、今日はお休みをいただいて、病院に行ってこようと思いますが大丈夫でしょうか?
(許可が出る)
本日予定していた私の業務なのですが、××社の件につきましては同行していただいているAさんに必要事項は連絡しておきます。週末までの資料作成につきましては、回復してから対応しても納期は大丈夫かと存じます。
では、また病院から帰りましたら、状況報告させていただきます。ありがとうございました。失礼いたします。
メールの場合
件名:欠勤連絡(●●部 △△)
お疲れさまでございます。●●部の△△です。
昨晩から風邪気味で、夜間にかけて38.8度の熱が出ておりました。今は薬を飲んで多少下がりましたが、今日はお休みをいただき、病院に行こうと思っております。大丈夫でしょうか?
××社の件につきましては、同行いただいているAさんに必要事項をメールしておきます。また、週末までの資料作成につきましては、回復後、納期までに対応できる見込みです。
もしも何かございましたら、111-222-3345までご連絡ください。病院から帰りましたら、またご連絡させていただきます。何卒、よろしくお願い申し上げます。
会社を休むときの電話は「5W1H」で連絡しよう
社会人の欠勤の連絡は、「業務を止めない」ことを第一に考える必要があります。自分が休んでも、企業活動が止まるわけではありません。自分の都合で会社に損失を与えてしまうようでは社会人として無責任だと言わざるを得ません。
ですから、業務の引き継ぎや、業務を止めないことを目的にして、「5W1H」に基づいて欠勤の連絡を行うことが大切です。「自分が休みを許可してもらうこと」が目的にならないように注意したいものです。
ただ機械的に上司に連絡する、決まった時間に連絡をする、というような対応では、周囲に迷惑をかけることになってしまいかねません。周囲の負担を少しでも減らせるような連絡を心がけてください。
そして、上司も同僚もあなたの事を心配しながら、あなたの分の仕事を分配して受けもってくれています。ですから、そういったメンバーへの配慮を忘れず、しっかり自分の状況を報告するようにしてください。当然、回復後に感謝の意は必ず伝えるようにしましょう。