入社式は社会人になって初めてのイベント
春は入社式の季節です。テレビのニュースで大企業の入社式の様子を見たことがある人も多いことでしょう。入学式を控えた学生だけではなく、入社式を控えた新社会人たちも、新生活に向けて期待に胸を膨らませるとともに、緊張した気持ちを抱えて日々を送っています。
入社式とは文字通り、新入社員の入社を記念して各企業によって執り行われる式典のことを指します。社会人になって初めに直面するイベントです。社会人として幸先のよいスタートを切りたいと考えるのは当然です。
内定者同士の懇親会など同期の知り合いがすでにできている場合、入社式に関する情報交換をすることが可能です。しかし、多くは入社式ではじめて同期と出会うことになります。その場合、入社式に関する不安や疑問を共有したり、質問したりするのが難しいでしょう。
今回は、入社式に関する疑問を解決し、安心して式典に臨めるように一般的な入社式の情報を解説します。
入社式の流れと内容
入社式はどのような内容が予定されているのか、実はわからないという人も多いです。ある程度、入社式に対するイメージを持って、心の準備をしてから出席するほうが安心です。ここでは、一般的な入社式の流れと具体的な内容について、紹介します。
入社式の所要時間は1~2時間
入社式は午前中に執り行われることが多く、所要時間は1~2時間程度です。入社式後の人事担当者からの業務や今後の研修に関する説明などを合わせて、午前中いっぱいかかるというイメージを持っておくとよいでしょう。
入社式の会場は本社で行われることが多い
入社式の開催会場は企業によります。最も多いのは、本社の大会議室やホールで行う企業です。新入社員の人数が何百人という大規模な企業の場合は、ホテルの宴会場やコンベンションセンターの貸会議室などで入社式が執り行われます。
ユニークな試みをする企業の場合は、ディズニーランドやハワイなど娯楽性の高い場所で入社式を行う例もありますが、例外と考えてよいでしょう。
入社式は司会が開会の挨拶をするところから始まる
具体的な入社式の流れに入っていきます。まずは、司会者による開会の挨拶があります。「ただいまより、平成〇年度▲▲株式会社入社式を開始します」といった文言で、簡単に入社式の開会が宣言されます。
経営理念を唱和する
経営理念とは、企業として社会に対する責任や追い求めるものを示す、いわば社員の行動指針です。いずれの企業も持っているもので、入社するにあたりまず全員でこの理念を唱和します。スクリーンに投影されたり、印字された紙が配布されたりするので、一言一句覚えておく必要はありませんが、内容は企業ホームページなどで事前に確認しておくとよいでしょう。
社長が挨拶をする
社長から新入社員に対する訓示と激励が行われます。後から配属先などで話題にあがっても対応できるように、内容はしっかりと聞いておくようにしましょう。
新入社員へ辞令が交付される
新入社員一人一人、もしくは会社の規模によっては新入社員代表に対して辞令が交付されます。辞令を受け取ることで「今日からここの企業の一員になった」実感がわきます。
役員が紹介される
企業の役員の紹介ならびに、役員からの挨拶が行われます。一度で覚えられないので、事前にホームページなどで確認しておいたほうがいいです。
新入社員代表が挨拶をする
新入社員の代表者が、入社にあたっての決意表明や挨拶を行います。決意表明は、代表者でなくても、しっかりと心に刻むようにしましょう。
司会者が入社式閉会の辞を述べる
簡単な文言で、入社式の閉会を宣言します。企業によっては、このあと記念撮影や懇親パーティーが行われます。さっそく新入社員全体研修に入ったり、配属先へ向かったりする場合もあります。
入社式当日は何を持っていく?
入社式当日は何を持っていけばよいのでしょうか?忘れ物がないよう、前日に持ち物を確認しましょう。自身が入社する企業の入社式の案内をよく読み、不明点がある場合は総務担当者などに直接問い合わせをするようにしてください。
入社に必要な必要提出書類一式
身元保証人のサインが入った身元保証書や、機密保持に関する締結書類、卒業証明書など、未提出の書類一式を入社式当日に持っていきます。事前に郵送で提出が求められることも多いです。
国民年金手帳
企業で働きはじめると、年金を毎月積み立てることになります。国民年金手帳は入社と同時に企業に提出し、企業の金庫などで一括管理され、退職時に返却されることが一般的です。
印鑑・筆記用具
給与振り込み口座の指定書類などの記入を求められることがあります。他の提出書類のミスや押印漏れがある場合にも備えて、印鑑を持っておくと安心です。筆記用具は社会人として当たり前の持ち物と心得ましょう。
身だしなみ用具
ハンカチやティッシュといった基本的な身だしなみ用具は、社会人として毎日持参する癖をつけましょう。女性は、ストッキングが伝線する事態もありえます。入社式で伝線したストッキングを履いていると目立って恥ずかしいので、替えのストッキングを一つ常にかばんに入れて備えておくとよいでしょう。
入社式での振る舞いのポイント
入社式は、学生ではなく一人の社会人として臨みます。どのような振る舞いを心がけるべきなのか、確認しておきましょう。
時間を厳守する
時間の厳守は社会人として最低限のマナーです。遅刻はもってのほかですが、入社式開始ぎりぎりの時間に滑り込むようなことがないよう、時間に余裕をもって自宅を出発しましょう。特に4月1日は、出勤に慣れない新社会人が多く、公共交通機関の混雑もよく起こります。想定外の事態にも対応できるぐらいの時間の余裕はみておきましょう。
社会人として身だしなみに気を付ける
男性は、就活スーツでネクタイを結ぶことに慣れた人がほとんどです。しかし万が一、自信がないという人は、入社式当日の朝に慌てることがないよう、事前に練習しましょう。
同期同士のなれ合いの態度を出さない
内定式などで、すでに同期同士仲良くなっている場合も多いですが、社会人としての一歩を共に踏み出したという高揚感から、テンションが上がってしまうこともあります。学生のようなノリは論外です。たとえ入社式後の懇親パーティーであっても、同期同士の会話も節度ある態度で臨みましょう。
入社式と内定式の違いとは?
「入社式」と混同されやすいのが、「内定式」です。勘違いや疑問を解消するために、ここではまず入社式と内定式の違いを解説します。
「内々定」と「内定」の違いとは?
内定式について解説するにあたり、まずは「内々定」と「内定」についての知識を整理します。「内々定」とは、企業が人と正式な労働契約を交わす前段階に出すいわば「採用予定通知」です。一方で、「内定」は正式な労働契約を交わした状態であり、採用内定通知書などに記載された正当な取消事由が発生した場合にかぎって、労働契約を解約する権利が認められています。
内定式とは?
内定式とは、企業が内々定を出した人に対して、正式な内定通知を渡すための式典を指します。企業から正式な内定通知を出すと同時に、内定者も内定を承諾する意思を示す式典であるといえます。
一般的に、日程は10月1日に行われることが多く、内定式は主に新卒採用者のための式典であり、中途採用の場合は行われないことがほとんどとです。又、新卒採用であっても、秋採用など採用時期によっては内定式が行われないことがあります。
内定式の内容としては、内定の正式授与以外に、社長からの言葉や、人事担当者からの企業についての説明があります。内定者が一言ずつ自己紹介をするよう求められることもあり、あらかじめコメントを準備しておくと安心です。
式典の後には、内定者同士の懇親会が行われることが多いです。このような懇親会は、内定者同士の親睦を図ったり、社員に率直な話を伺ったりするよい機会なので、積極的に周りの人とコミュニケーションをとるようにしましょう。
入社式とは?
入社式とは、新入社員の入社を記念して各企業によって執り行われる式典です。行われる日程は、一般的に年度はじめとなる4月1日とされています。4月1日が土曜日や日曜日、祝日などに当たる場合は、よく営業日に執り行われることが多いです。
内定式が行われた企業の場合は、内定者同士、すでに交流のできている同期の新入社員と改めて顔を合わせる場となります。再会を喜ぶとともに、同期の新入社員としてのライバル心も入社式で芽生えるかもしれません。
入社式を機に幸先よく社会人生活をスタートさせよう
入社式は、社会人としての第一歩となる大事な式典です。非常事態に焦ったり、態度を社員に注意されるなどして、社会人生活のスタートをつまずくことがないよう、万全の準備をして臨んでください。