アイリストってなに?
最近の美容業界では、まつ毛に特化したプロフェッショナルであるアイリストの人口が増えてきています。幅広い年代の女性に人気の美容サービスであるまつ毛のエクステやパーマなど、目元のケアを重点的に行う職業です。
一時期はつけまつげなど、目を大きく魅力的に見せる美容アイテムも流行りましたが、イマドキの流行は「マツエク」と呼ばれるまつ毛エクステ。自分のまつ毛を土台にして人工毛(エクステンション)を付けていくので、つけまつげに比べて自然に目を大きく魅力的に見せてくれます。
今回は、目元のケアのプロフェッショナルと呼ばれるアイリストの仕事内容や勤務形態について詳しく解説していきます。
アイリストは目元ケアの専門家
最近よく聞くようになった、アイスタイリストやアイデザイナーとも呼ばれるアイリストという職業ですが、簡単に説明をすると「まつ毛ケアのプロフェッショナル」のことを指します。まつ毛のエクステやカール、パーマなどの目元、特にまつ毛のケアを専門に行う方々のことです。
アイリストにはカウンセリングや施術の技術だけでなく、コミュニケーション能力も重要です。一人でカウンセリング、施術、アフターケアまでを担当することが多いため責任を負うことになりますが、向上心を持って頑張れると成長するスピードが速い職業です。
アイリストが活躍する場所とは?
アイリストは様々な場所で活躍することができる職業です。その中でも主要な職場3つをご紹介します。
アイラッシュサロン
まつ毛ケア専門のアイラッシュサロンでは、エステサロンや美容院よりも充実したサービスを提供することができます。一人ひとりに丁寧にカウンセリングができるため、より細かいオーダーやニーズに応えることが可能になります。
エステサロン
美容に関するサポートをトータルに行うエステサロンでは、店舗によってはネイルケアやボディケア、フェイスケアなどのサポートを行っている中で、アイリストがまつ毛ケアの専門家として施術を行います。
美容院
最近はニーズが多様化し、美容院でもまつ毛ケアのサービスを行っているところが増えています。ヘアカラーやカット、トリートメントなど通常のヘアケアサービスに加えて、まつ毛ケアのサービスを追加で受けるお店が多い傾向にあります。
アイリストの勤務時間・休日・残業はどのくらいある?
アイリストという職業はサービス業のため、勤務時間や休日などが一般企業に勤めているOLと異なっています。ここでは、アイリストの詳しい就業体系についてご説明します。
勤務時間
アイリストはまつ毛エクステ専門店やエステサロン、美容室など様々な場所で働いています。そのため営業時間も異なっているので、基本的には就業先によって勤務時間が決まります。
ほとんどのサロンはおよそ10時~19時までを営業時間としていますが、仕事帰りのお客様をターゲットとしているサロンの場合、終業時間が20時以降のところもあります。客層によって営業時間が変化するため、アイリストの勤務時間もそれに応じて変動していきます。基本的には個人で経営しているサロンではない限り、勤務先の営業時間を基準として働く形となります。
勤務形態
朝早い時間帯から夜遅い時間帯(20時以降)まで営業をしているサロンについては、勤務形態としてシフト制を設けているサロンが多くあります。早番や遅番などでシフトを組んでいき、より多くのお客様に来て頂くための工夫をしているサロンもあります。
休暇制度
アイリストはサービス業のため、基本的には休日はシフト制が主です。多くの方が休みの土日祝はサービス業としては稼ぎ時になるため、アイリストの休日は平日の場合が多くなります。日数は平均して月に8日程度休日が与えられています。
また、アイリストの繁忙期はイベント時(結婚式シーズン・クリスマスなど)や大型連休(夏休み・冬休み・GWなど)のタイミングとなるので、その場合は連休などの取得が難しくなる場合もあります。
アイリストは「人気」によって仕事量が変わる
個人で指名を頂くことが増えてくると、なかなか長期休暇は取りづらくなってきます。長い間休むことで、今まで来てくれていたお客様が他の店舗に行ってしまうことや、他のアイリストを指名してしまうことも少なくありません。もし、長期休暇を取得する場合はあらかじめ必ずお客様には伝えておきましょう。
特に懇意にされているお客様には休みの日程を伝え、その上で予約日などの日程調整をするように心がけると良いでしょう。アイリストが上手く休みを取るコツは、私生活と仕事のバランスをどのようにしていくかを自分の中でしっかり考えることです。
残業の有無
美容師など他の美容系の職業と比べると残業はほとんどありません。美容師などは閉店後にレッスンや研修などがありますが、アイリストにはそのようなものがないため、退勤後に予定を入れることが多い方には働きやすい職場と言えるでしょう。
残業をする場合は、お客様の施術に時間がかかってしまった場合や売り上げ管理、清掃などの施術以外の業務などが考えられます。時間にすると30分~1時間程度になります。
アイリストの給料ってどのくらい?
アイリストには様々な雇用形態があります。正社員からパート・アルバイトまで、求人によっては自分のライフスタイルに合った働き方を選択することができます。どこで働くかを選ぶうえで給与面も大切になるでしょう。自分に合った働き方を見つける参考として、雇用形態別の給与について解説します。
正社員の場合
勤務場所によって変動はありますが、美容室やエステサロン、まつ毛ケアの専門サロン「アイラッシュサロン」で正社員として雇われた場合は、月給およそ18万円からのスタートが多いです。大手の美容サロンやアイリストとしての経験が豊富な場合、月給20万円以上のところもあります。店舗によっては過去に担当したお客様がリピーターになり指名が入ると、通常の給与とは別にボーナスがもらえることもあります。
アルバイトの場合
フルタイムの正社員として働く以外にも「週に2~3日だけ」「平日午後の時間帯だけ」など、比較的自由なタイミングで働けるアルバイトとして雇われる場合もあります。経験の有無によって変わりますが、平均的な時給は1,000円程度です。サロンによっては、初めから正社員としては雇われずにアルバイトなどからスタートすることもあります。
その場合、本人のやる気や情熱次第でステップアップができ、いずれは正社員として雇用される可能性がある「正社員登用制度」を導入している店舗もあります。希望する店舗が正社員としての募集がない場合、アルバイトなどから経験を積み重ねていく方法もあります。詳しくは各店舗に直接問い合わせましょう。
年収
勤務場所や雇用形態によって変動のある年収ですが、平均的なアイリストの年収は約300万円前後です。年収の幅としては260万円~320万円程度となり、この場合の平均月給は18万円~24万円となります(賞与がある場合はさらに変動があります)。
やはりアイラッシュサロンで働く場合が一番年収が高くなる傾向にありますが、スキルや経験により給与は変動していきます。あくまでも参考程度としてください。
アイリストに必要な資格について
アイリストとして働きたい場合、まず初めにすることは「美容師免許」の取得。アイリストになるためには美容師免許の所持が必須条件ですが、言い換えれば必須資格はこの1つだけなので、取得さえできればすぐにアイリストとして働けるようになります。他にも様々な資格が存在するので、自分に合った資格を取得するとさらなるスキルアップやキャリアアップが狙えます。
アイリスト必須の資格である美容師免許と併せて、スキルアップやキャリアアップのために取りたい資格をいくつか紹介します。
美容師免許
美容師免許は国家資格です。年に2回開催される国家試験での合格が必要となります。しかし、ただ単に試験に合格すれば取得できるわけではありません。厚生労働大臣認定指定校の美容学校を卒業する必要があります。
美容学校への通学の仕方には3通りあり、学校によって昼間制・夜間制・通信制の中から選択ができます。自分のライフスタイルに合わせて選びましょう。
選び方のコツとしては、今学生であるならば昼間制、働きながら通学したい方は夜間制(社会人におすすめ)、近くに学校がない方や忙しい方は通信制を選ぶと、それぞれのライフスタイルに合わせた資格取得が可能です。
スキルアップ・キャリアアップのための資格
アイリストになるために必須ではありませんが、自分自身の技術や知識の向上などを目的とした民間主催の資格試験が数多くあります。その中でも特に、アイリストとしてのスキルアップやキャリアアップに役立つ資格を4つご紹介します。
まつ毛エクステンション衛生管理士
日本まつ毛エクステンション認定機構(JECA)が実施している、安全・衛生管理に特化した資格です。
アイデザイナー技能検定
日本まつ毛エクステンション協会(JLA)が実施している、アイデザイナーの正しい技術と知識の向上を目的とした試験です。サロンによっては、アイリストを採用する際にこの資格を応募条件としている場合もあるので、サロンでの就職を考えている方にはおすすめの資格です。
まつ毛エクステンション技能検定
日本アイリスト協会(JEA)が、正しい技能を兼ね備えたエクステンション技術者ならびにまつ毛エクステンション事業に関わる人材の養成を目的とした試験です。
プロアイリスト検定
日本まつげエクステ協会(NEA)が実施する技術力を重視した検定です。日本で唯一、内閣総理大臣認証法人職業技能評価機構認定のまつげエクステに関する技術を評価する試験です。
人気アイリストになるには向上心と知識欲が必要
アイリストはまつ毛ケアのプロフェッショナル。美容師免許が必須となりますが、その後のスキルアップやキャリアアップのために様々な資格を取得することで、より技術や知識に信頼がおけるアイリストになることができます。
多種多様な働き方や職場を選べるアイリストは、新たな美容系職業として注目をされています。「目力」という言葉あるくらい、目には印象を大きく作用する力を持っています。アイリストを目指す方は、より魅力的な「目力」を持つ女性を多く生み出せるよう、日々新たな技術や情報をアップデートする習慣を身につけましょう。